今回は「稲荷神社」について、深堀りをしていきます。
稲荷神社は、穀物・農業の神として現在は商工業を含めた産業の神様として信仰されています。
稲荷神社の3つの特徴
「お稲荷さん」と呼ばれて親しまれていたり、狐(キツネ)を神としていたり、連続する赤い鮮やかな鳥居が並んでいたりと特徴的な神社です。
- お稲荷さんとして親しまれており全国各地にある
- キツネがメインキャラクターである
- 赤い鳥居が連なり色鮮やかである
「稲荷」の語源
もともとの語源が「稲成り」という説があり、稲を荷なう神像の姿から後に「稲荷」の字が当てられたといいます。
稲荷神社の歴史と広がり
秦(はた)氏が創建に大きく関わっていたとして、秦氏(はたし・はたうじ)の氏神として秦氏の勢力拡大ともに全国に「稲荷神社」信仰が広がっていきました。
京都の伏見稲荷大社
711年に山城国稲荷山、現在の伏見稲荷大社に鎮座したと言われています。
都が京に移されると、この地を地盤にしていた秦氏はさらに政治的な力を持つようになります。
「正一位」として最高官位を得る
清和天皇から稲荷神社が従五位下の官位を賜ったことを皮切りに、942年には最高位の正一位(しょういちい)となっています。
伏見稲荷大社が1195年に後鳥羽上皇の行幸に際して、「本社勧請の身体には『正一位』の神階を書き加えて教くべき」という旨が勅許されています。
よって、稲荷神社でよくみる「正一位」とみるのは、この神階を指しています。
稲荷神社は総本宮の伏見稲荷神社から勧請を受けたとして正一位を名乗っています。
正一位(しょういちい)は、官位の最高位であり、人臣・神社の神階の最高位として従一位の上に当たります。
勲位・勲等として人・神様は勲一等から12等がありました。
関白・太政大臣・征夷大将軍などの官位が聞き馴染みがあると思うわ。
明治時代に神階の制度は廃止になったんだけど、現在も社名に神階をつけている神社はあるみたいだね
伏見稲荷神社より創建が古い歴史のある稲荷神社です。
日本各地に広がる稲荷神社
日本各地に稲荷神社がありますが、主祭神としてお稲荷さんを祀っている神社は、2970社と言われています。
また境内には摂社など合祀されてものや、分祀されたものがあるので、その数を含めると32,000社あると言われています。
3万ってすごいわね
稲荷神社の総本社は、京都市にある伏見稲荷大社であり日本各所の総本宮となっています。
江戸時代では商売の神としても公認
江戸時代になると、稲荷が商売の神様としても公認されます。
すると、町人文化の江戸時代には爆発的に大衆に受け入れられるようになります。
芝居の神様としても
江戸時代には芝居の神としても敬われるようにもなります。
芝居小屋や楽屋裏には多くの稲荷明神の祭壇が設けられるようになりました。
稲荷神社と赤い鳥居
稲荷神社の特徴の一つとして「赤い鳥居」が挙げられます。
稲荷鳥居ともいわれており、複数の鳥居を連ねて、「祈りと感謝」の念を表しているとも言われています。
いわゆる千本鳥居ってやつね、綺麗だよね
ちなみに、各社の鳥居はお金を払うと奉納することができます。
鳥居の大きさによって、初穂料は変わってきますが、伏見稲荷大社の場合は一番小さな鳥居5号サイズは175,000円となっています。
伏見稲荷大社の千本鳥居の多くは5号サイズです。
5号サイズは柱の太さが15センチくらいだね
10号の鳥居は、130万円を超えるわ
成功者の印だね
鳥居の寿命
鳥居の材質は様々ですが、木でできた鳥居の寿命はだいたい4~5年と言われています。
鳥居の奉納
伏見稲荷大社の鳥居を奉納するには、予約しないといけませんが大体4~5年待ちとなっているようです。
伏見稲荷大社以外でも奉納できるので、神社に問い合わせてみるといいかもしれません。
狐と稲荷神社
伏見稲荷大社は、「狐(キツネ)」は稲荷神の神使とされています。
神使(しんし)とは…(クリックで下に詳細を表示します)
神使(しんし)は、神道においての神の使いあるいは、神様の神意を代行して現世のものと接触してくれるものと考えられている特定の動物です。動物は幅広く、哺乳類・爬虫類など色々います。
伏見稲荷大社では、狐は神使としてアツカテチマスが、狐自体を「神」として扱っている神社も少なくはありません。
また民間信仰では、狐と稲荷は同一視されていることもあり、『百家説林』では「稲荷といふも狐なり 狐といふも稲荷なり」という歌もあるくらいです。
弥生時代は「蛇(ヘビ)」への信仰が強かったのですが、稲荷山も蛇信仰の中心でした。
平安時代ごろから、狐を神使として信仰しはじめました。
狛犬と狐
稲荷神社の前には狛犬の代わりに狐の像が置かれることも多いです。
日本三大稲荷
日本三大稲荷といいますが、地域によっては三大が変わってきます。
14社ありますのでまとめていきます。
14社って3大にまとめる気ないよね
伏見稲荷大社と豊川稲荷は基本的にはどの日本三大稲荷にも属しているため、2大稲荷ともいわれています。
また伏見稲荷大社は、自社以外の2社は様々な説があり特定できないとして明言を避けています。
日本三大稲荷シリーズ
- 伏見稲荷大社(京都市)
- 豊川稲荷(愛知県豊川市)
- 笠間稲荷神社(茨城県笠間市)
- 祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)
- 竹駒神社(宮城県岩沼市)
- 最上稲荷山妙教寺(岡山県岡山市北区)
- 志和稲荷神社(岩手県紫波町)
- 箭弓稲荷神社(埼玉県東松山市)
- 鼻顔稲荷神社(長野県佐久市)
- 千代保稲荷神社(岐阜県海津市)
- 瓢箪山稲荷神社(大阪府東大阪市)
- 源九郎稲荷神社(奈良県大和郡山市)
- 太鼓谷稲成神社(島根県津和野町) ・
- 草戸稲荷神社(広島県福山市)
まだまだ行ったことのない神社が多いので参拝してきたいです。
まとめ
以上、稲荷神社についての記事でした。
これからも御朱印を集めながら神社やお寺の知識を共有していきたいと思います。
また現地で感じたことを率直に伝えられるような記事を書いていきたいです。
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