米国株投資を行う上で必須の知識として今回は導入編の記事になります。
今回取り扱うのは「S&P500」(えすあんどぴーごひゃく)になります。
一言で言えば「アメリカ株式市場の様子をひと目で分かるの指数」になります。
アメリカ株投資を行う上で最も重要な「指数」といっても過言ではありません、S&P500を知らずに米国株投資をするのは、時計やストップウォッチを持たずに42.195キロのフルマラソンを走るようなものです。
余計わかりにくいけど…
語彙力が足りなかったわ。
とりあえず、今回のこの「S&P500」についてわかりやすくお伝えしていきます。
この記事を読むことで、下記のことがわかります。
- 「S&P500」ことについて理解できます。
- S&P500と他の指数の違いについてわかります。
- S&P500に組み込まれている銘柄や、GAFAMの割合、セクターの割合もお伝えます。
- S&P500に選ばれる選定基準や入れ替え時期などについても理解できます。
- S&P500に投資する際に投資信託とETFをお伝えします。
S&P500指数について
「指数(インデックス)」というのは、基準となる数値を表すものになります。 S&P500はアメリカに上場している株式の大型500社の時価総額加重平均の指数となります。
アメリカに上場している株式の総合の時価総額の約80%をカバーしています。
例えば、S&P500が上昇していればアメリカの株式市場は調子いいと考える事ができます。
逆に下がっていればアメリカの株式市場が調子悪いんだなと考えることができます。
- S&P500はアメリカを代表する優良企業500社を加重平均として数値化した指数
- アメリカの上場企業のおよそ80%をカバーしているため「アメリカの株式市場の様子」を伺う重要な指数でもある
ダウ平均とS&P500
同じように、代表的な指数としては、「ダウ」平均というのがあります。
S&P500よりも聞き馴染みがあるとは思いますが、ダウ平均はアメリカの株式市場に上場している代表的な株式の30社の指数です。
S&P500よりも構成銘柄が少ない上に工業株がメインであるということもありS&P500よりアメリカの株式市場の様子が適切に反映されているわけではありません。
ニュースなんかで取り上げられるのはダウのほうだから聞き馴染みがあるけどね
たった30社しか構成されてない指数だからあまりあてにはならないけど、知名度だけはあるからね
ダウ平均についてもっと詳しく知りたい人は下記の記事にダウ平均についてまとめています。
NASDAQとS&P500
ダウ平均と同様にアメリカの代表的な指数としては「NASDAQ(ナスダック)総合指数」というものがあります。
NASDAQ市場に上場している銘柄の加重平均で換算された指数です。
アメリカには大きな株式市場が2つありニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQ市場になります。
NASDAQはニューヨーク証券取引所と比較して比較的新しく作られた市場ということもあり多くのインターネット関連企業やハイテク企業が上場しています。
よってNASDAQ総合指数はハイテク関連の動向を伺うのに適している指数と言えます。
- ダウ平均、NASDAQ総合指数とS&P500はアメリカの主要指数として重要な指数とされています。
- ダウ平均は工業株中心の30銘柄、NASDAQ総合指数はNASDAQ市場(ハイテク銘柄が多い)に上場している指数
NASDAQ100指数
余談ではありますが、NASDAQ総合指数と同様に「NASDAQ100指数」というものがあります。
NASDAQに上場している株式のうち時価総額ランキングなどを加味して金融銘柄を除いた100銘柄で構成される指数で、NASDAQ総合指数と同様にアメリカを代表する指数になります。
ダウ平均、S&P500、NASDAQ総合指数がアメリカを代表する3指数として紹介されることが多く、それに加えてNASDAQ100指数や小型株で構成されるラッセル2000などもアメリカを代表する指数になります。
基本的には大型株はS&P500に分類されて小型株はラッセル2000を見ることが多いです。
小型株は景気の先行きを敏感に表すことが多いので市場を見極めるためにもこれらの指数の特徴をしっかりと把握しておくと良いかもしれませんね。
ちなみにわたしはNASDAQ100に毎月iDeCoで投資を行っています。
NASDAQ100への投資について詳しく知りたいと言う人は良かったら参考に指定見てくださいね。
各指数の特徴まとめ
特徴をまとめると、 ダウ平均とS&P500はアメリカ企業、NASDAQ総合指数はハイテク関連企業という見方になります。
ダウとS&P500の違いといえばダウはどちらかといえば工業株や伝統的な企業の割合が多いということです。
S&P500にはハイテク企業を含めたアメリカ企業の全体的な状態を表している重要な指数になります。
S&P500
S&P500以外の指数も少し紹介してきましたがここからS&P500の中身についてより深いところまでお伝えしていきます。
先程もお伝えしましたがS&P500はアメリカ企業のうち時価総額や業績などを含めた大企業500社を表す指数になります。
長期的なチャートをご覧になるとわかりますが、順調に堅調に右肩上がりでの成長をしていることがわかります。
(チャートはS&P500の代表的なETFのSPY)
つまり、アメリカの株式市場(大型企業)がこれまで右肩上がりで伸びてきたことがわかります。
前々から気になっていたんだけど、S&P500のS&Pってなに?
良いところに気づいたね、少しS&Pについても触れておこうか
S&Pというのは「Standard & Poor’s(スタンダート・アンド・プアーズ)」の略で、S&P500を算出している会社の旧社名の「スタンダート&プアーズ・レーティング・サービス」のことです。
日経平均や日経225といった具合に「日本経済新聞社」の「日経」部分みたいなものになります。
- S&P500の数値は長期的に見て右肩が上がり。
- S&P500の「S&P」とはスタンダート・アンド・プアーズ社の略。
S&P500の組み込み銘柄
S&P500には500社の企業の株式が組み込まれているのですが、すべてを羅列してしまうとスマホで見てる人はスクロールが大変なので上位20社を簡単に紹介していきます。
割と聞いたことがあるような会社ばかりだね
アメリカを代表する企業は世界的な大企業でもあるしその上位の企業だからね
構成割合でみても、上位10社でおよそ3割(29.6%)を占めています。
その中でも目立つのが巨大ハイテク企業のGAFAMと言われる企業です。
S&P500におけるGAFAMの影響力
GAFAMとは、世界的なテック企業(ビッグテック)である5社の頭文字をとった呼び名でGAFAやFANG、FAAMG、ビッグ・ファイブなどとも言われたりします。
日本ではGAFAにマイクロソフトを足したGAFAMがよく使われます。
- G:グーグル(親会社アルファベット)
- A:アマゾンドットコム
- F:フェイスブック(社名変更後はメタ・プラットフォーム)
- A:アップル
- M:マイクロソフト
GAFAMは一度は聞いたことがあると思うし、GAFAMの製品はもはや生活には欠かせないからね
世界中で製品やサービスが利用されてるもんね
S&P500の中でもGAFAMの割合は大きく、約20%はGAFAMが占めていることになります。
さらに言えばS&P500構成銘柄のバークシャー・ハサウェイは持株会社なのですがバークシャー・ハサウェイの持ち株のおよそ40%はアップル株となっています。
バークシャー・ハサウェイはあの投資の神様ウォーレン・バフェットの会社だよね
そうだね、バフェットのポートフォリオの40%がアップルってことも踏まえるとS&P500の25%くらいはGAFAM関連になってるよね
そうだね、アップルやマイクロソフト、グーグルなどに半導体やサービスを売っている企業群も多くS&P500に連ねているため実質GAFAMの影響力は数字以上になっています。
- S&P500には500社含まれているがその中でもGAFAMと呼ばれる巨大IT企業の5社だけで約20%の割合を持ちます
- またGAFAM関連の製品・サービスを含めるとS&P500の中でもGAFAMの影響力は非常に大きいものであると言えます。
S&Pの構成セクター
次にS&P500を構成するセクターを見ていきましょう。
セクターというのは簡単に言えば業界やグループのことですが、一般的に米国株ではセクターは11セクターに分かれています。
- 情報技術:27.88%
- ヘルスケア:13.46%
- 一般消費財:11.82%
- 金融:11.30%
- 通信:9.64%
- 資本財:7.87%
- 生活必需品:6.25%
- エネルギー:3.77%
- 不動産:2.65%
- 公益事業:2.58%
- 素材:2.54%
(2022年3月3日確認:ブラックロック iシェアーズ・コアS&P500ETFより)
このセクター別の構成比率をご覧になってわかるように、情報技術(ハイテク関連)が約30%も占めています。
さらに言えば、グーグルとメタが通信で5%程度、一般消費財のうちアマゾンが占める割合が3.6%程度あります。
表向きのセクター割合でもハイテクの占める割合が多いことを頭に入れておきましょう。
- S&P500を構成する11のセクターの割合のうち情報技術セクターの割合は約30あります。
- 一般消費財にアマゾン、通信にGoogle、メタなどがあるためいわゆるテクノロジー企業が占める割合は表面的なものより大きいと考えたほうが良いです。
S&P500の選定基準
S&P500の中に選ばれることは米国株企業でも大変名誉であると同時にそれに連動するファンドが多くあるため多くの資金流入が見込めます。
しかしその一方でS&P500に入る(選ばれる)には厳しい基準があります。
逆に言えば、その厳しい基準をクリアした選りすぐりのエリート企業しかS&P500には入れないということにもなります。
厳しい基準があるからこそ、指数の信頼性が担保できてるってこともあるよね
簡単に上場すれば選ばれるような指数ではないからね、お硬い指数ですよ
簡単に選定基準をまとめます。
- 時価総額:61億ドル以上
- 流動性:評価日までの各四半期における売買高が最低25万株
- 本拠地:米国企業
- 浮動株:最低50%が浮動株であること
- セクター:S&P500のセクター間のバランスの維持
- 財務健全性:直近の四半期、ならびに4四半期連続の黒字
- 株式公開時期:株式公開(IPO)から12ヶ月後から検討
つまり、アメリカを代表する優良企業ということになるね
いろんな基準があるけど、S&P500にはいるんじゃないかってニュースだけでも株価が上がったりするもんね
指数に組み込まれたらやっぱりお金がかなりはいってくるからね、逆に言えば入る企業があれば出される企業もあるわけだからね、厳しい世界だよ
定期的な入れ替えが行われ毎年12月に行われます。 経営統合や買収などによっても適時入れ替えられています。
直近のS&P500の入れ替え
■2022年3月2日
- 追加:【MOH】モリーナヘルスケア
- 除外:IHS Markit
- 理由:S&P500構成銘柄のS&P GlobalIncに買収されたため
■2022年2月3日
- 追加:【MDSN】ノードソン
- 除外:【XLNX】ザイリンクス
- 理由:AMDがザイリンクスを買収したため
■2022年2月3日
- 除外:【GPS】ギャップ
- 理由:時価総額の変化のため
■2022年2月2日
- 追加:【CEG】コンステレーションエネルギー
- 理由:ExelonCorpのスピンオフ
■2021年12月20日
- 追加:【SBNY】シグナチャー銀行
- 除外:【LEG】レゲット&プラット
- 理由:時価総額の変化のため
■2021年12月20日
- 追加:【SEDG】ソーラーエッジ
- 除外:【HBI】ヘインズブランズ
- 理由:時価総額の変化のため
■2021年12月20日
- 追加:【FDS】ファクトセット・リサーチ・システムズ
- 除外:【WU】ウエスタンユニオン
- 理由:時価総額の変化のため
■2021年12月14日
- 追加:【EPAM】EPAMシステムズ
- 除外:【KSU】カンザスシティサザン
- 理由:【UNP】ユニオンパシフィックに買収されたため
このように、随時時価総額の変化や買収などによって銘柄の入れ替えが行われています。
S&P500に投資する方法
インデックス投資の王道として「S&P500」に連動する投資信託やETFを購入するという方法があります。
チャートをご覧になってわかるようにS&P500は右肩上がりでの成長を続けており今後もこの成長は続くと多くの人が考えています。
多くの人が考えていれば多くの人が投資し続けるから、お金も流入し続けて企業もその資金で成長するという循環になるよね
だから、インデックス投資をみんなやってるんだね
先程ちらっと出てきたバークシャー・ハサウェイの創業者でCEOの投資の神様ウォーレン・バフェットもS&P500への投資をおすすめしていることは非常に有名です。
S&P500に日本から投資する方法は大きく分けて2つあります。
ひとつは「日本円」で購入する方法ともう1つはドルで購入する方法です。
日本円で購入する場合は、投資信託かETF、米ドルで購入する場合はETFで購入するするとができます。
ETFというのは、上場投資信託のことで株式市場に上場している投資信託でリアルタイムに取引ができます。
投資信託の場合は決済から手元に投資信託が手に入るまでは約2日程度時間がかかるります。
初心者におすすめなのは、日本円で購入でき気軽に100円程度から始められる投資信託になります。 自分の投資スタイルにあった方法投資してみましょう。
日本円で購入するS&P500
先程にもいったように日本円で気軽に購入できるのは日本の投資信託になります。
下記のような投資信託がS&P500に連動した商品になります。
手数料や運営会社が違えどほとんど差はないので好きなのを選んだら良いと思います。
S&P500に連動する投資信託
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)
- iFree S&P500インデックス
S&P500に連動するETF(日本)
- 【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
- 【1655】iシェアーズS&P500米国株ETF
- 【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
米ドルで購入するS&P500ETF
米国株を行っており、手元に米ドルがあるのであれば米ドルのETFもあります。
為替変動や日本円を米ドルに変換する手間などはありますが、コストは抑えられまたリアルタイムに取引ができます。
ただ、初心者の積立投資においては日本の投資信託での投資をおすすめします。
日本円の投資信託、ETFと同じ値動きであることと告知から投資でき、積み立て設定などのも気軽に行えるので日本の投資信託で十分だと思います。
S&P500に連動するETF(米国)
【VOO】バンガード・S&P500ETF
【SPY】SPDR S&P 500 ETF
【IVV】iシェアーズ・コア S&P 500 ETF
これらも手数料(経費率)や運営会社が違えど差はほとんどないので好みで選んでもほとんど影響ありません。
投資信託とETFの違い
少し本題とははずれますが、ETFと投資信託の違いについて簡単にまとめておきます。
特に大差はないし、投資初心者は投資信託で投資すればいいよ
積立設定も簡単ってのが良いよね
100円から投資できるし、ETFの場合は1株ずつの購入になるからね
まとめ:S&P500はアメリカ経済を映す鏡
今回はS&P500を紹介してきました。
S&P500の銘柄については毎日米国株市場が開かれた日の翌朝に好調だった銘柄や不調だった銘柄などもまとめています。
また、指数としてもどのような影響で上がったのか下がったのかをお伝えしていますのでよかったらチェックしてみてください。
私の場合は投資対象がハイテク銘柄が多く、NASDAQ100に連動する投資信託に投資しているのでS&P500よりもNASDAQが気になっていますが、それでもアメリカ経済を映す鏡のような存在で動向は毎日チェックしています。
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