- 最終更新日時:
米国株市場の代表的な指数である「ダウ」について解説しておきます。
- ダウを構成する銘柄、また最近入れ替わった銘柄もまとめています。
(初回公開日時:2021年3月3日)
ダウとは?
ダウの概要
米国を代表する厳選された30種類の企業の株価が合わさり数値化されたものです。
ダウ・ジョーンズ社が選定しています。(Dow Jones & Company, Inc.)
ダウの構成銘柄を選択する基準内容は、
- 「時価総額が大きい」
- 「企業として名声が高い」
- 「投資家から関心が高い」
- 「持続的な成長が見込める」
などの特性があります。
主要3指数
またアメリカを代表する3指数の一つです。
- ダウ平均(30銘柄)
- S&P500(500銘柄)
- NASDAQ総合指数(~3000銘柄)
ダウの計算方法
計算方法はダウ式と呼ばれる、株価を全て足し合わせて除数で割るという方法を採用しています。
呼称
ダウは正式名称「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average)」といいます。
「ダウ工業株30種平均」、「ダウ平均」、「ニューヨーク・ダウ」、「ニューヨーク平均株価」と言ったりと呼称は様々あります。
ダウ銘柄の上場市場
取引所別でみると、ニューヨーク証券取引所から24銘柄、NASDAQ市場からは6銘柄となっています。
- ニューヨーク証券取引所(NYSE):24銘柄
- NASDAQ:6銘柄
ダウのチャート
ダウのチャートは、検索などでは「DJI」という指数のティッカーシンボルがありますのでDJIと入力してみてください。
※このチャートはダウETF(SPDRダウ・ジョーンズ工業株平均ETF チャート)【DIA】のチャートです。
ダウの金額の推移
約120年以上の歴史のもつダウですが1896年5月は$40でしたが、約120年後の現在は$33,000になっています。
800倍以上になってるわよ
インデックス投資がやっぱり最強なのかもね
第一次世界大戦や世界恐慌、冷戦、ブラックマンデーやリーマンショックそしてコロナショックなど多くの歴史的世界的な事件や事象を見続けている指数です。
- 2021年3月17日:$33,000
- 2020年11月24日:$30,000
- 2018年1月4日:$25,000
- 2015年1月25日:$20,000
- 1896年5月26日:$40.94
ダウの歴史
1896年にダウが作られましたが、当時はアメリカ経済の牽引役として期待されていた「12銘柄」でした。
当時は現在のようにインターネットはおろか、パソコンすらなかった時代ですので「工業株」を中心に選ばれています。
いまでもその名残として「ダウ・ジョーンズ工業平均」といいます。
1928年に現在と同じ30銘柄になります。
1928年頃には工業化の時代真っ盛りでしたが、時代は変遷しダウの構成銘柄も変わってきます。
1940年代は、工業化の時代化から消費する時代へと代わり主だった企業で言えば今でも馴染みのあるP&G【PG】やロウズ【LOW】(アメリカの大手ホームセンターチェーン)などが組み込まれました。
また1990年代から2000年にはいると、IT革命が起き金融が発達し、テクノロジー系の企業が台頭します。
ダウの構成銘柄も大幅に入れ替わり、IBM【IBM】やインテル【INTC】、マイクロソフト【MSFT】なども名前を連ねています。
歴史のある指数だから中身もだいぶ変わってきてるんだね
逆に言えば、すべての銘柄が入れ替わっているともいまえます。
- 120年以上の歴史を持つ指数、開始当初は13銘柄で現在は30銘柄からなります。
- ダウは設定以来すべての銘柄が入れ替わっています。
- 工業平均というだけあり、時価総額順ではないためオールドエコノミー銘柄が多いです。
ダウ銘柄の入れ替え
ダウを構成する30種類の銘柄は必要に応じて入れ替えはあるものの決まった時期があるわけではありません。
世界を代表し、世界でもっとも有名である指数のためコロコロと銘柄を変えるわけにもいけません。
構成銘柄に買収やスピンアウト、中核事業の変更などまた株式分割などが起こったりする場合入れ替えが起こることがあります。
こういった事象は他の指数も同時に変更されることが多いです。
実際のところ銘柄選定には定量的なスクリーニングのルールが存在しないのが実情です。
つまり、「気分」で入れ替わることもあるってことよね
2021年現在のダウの構成銘柄一覧
※時価総額順
ポイントとしては、時価総額上位の、④Amazon【AMZN】や⑤Google【GOOGL】⑦フェイスブック【FB】⑧テスラ【TSLA】などは入っていないです。
※数字は世界の時価総額ランキング
よって、米国株の市場動向を図る上ではダウより、S&P500指数のほうが米国の株式動向をつかみやすいという声も多いです。
実際、30銘柄しかないからね、個別の銘柄によっても大きく変動するし偏りもあると思います。
S&P500と比較しても上位10銘柄が全体に占める割合は30%程度ですが、ダウにいたっては上位10銘柄が半分(そもそも30銘柄しかない)ため、1企業あたりによって大きく価格は変動してしまいます。
テスラがはいっていないとか、工業平均とか言えるのカヨ!
テスラは自動車メーカーだし、時価総額も高いし、投資家からも注目されているから選ばれそうだけどね。
最近組入れられた銘柄・除外された銘柄【2010年以降】
2020年8月31日
組み入れ銘柄
除外銘柄
2019年4月2日
組み入れ銘柄
除外銘柄
- ダウ・デュポン(会社分割)
2018年6月26日
組み入れ銘柄
除外銘柄
2015年3月19日
組み入れ銘柄
除外銘柄
2013年9月20日
組み入れ銘柄
除外銘柄
2012年9月21日
組み入れ銘柄
除外銘柄
- クラフト・ハインツ【KHC】
割とコロコロと銘柄が入れ替わってるんだね
それだけ時代が移り変わっているということだね
ダウについてその他のこと
ダウの最大の上昇率
1933年3月15日に$62.10となり+8.26 (+15.34%)上げています。
戦前だね。
記録はあるけど、記憶がある人はほとんどいなそう。
ダウの最大の下落率
ダウの最大の値下がり率というのも書いておきます。
ダウがこれまで120以上の歴史の中でもっとも1日大きかった下落率は1987年10月19日です。
いわゆる「ブラックマンデー」と呼ばれる日で、-22.61%を記録しています。
ブラックマンデーって、Amazonの特売日じゃないからね
ブラックマンデーというのは、香港を発端におこった世界的な株価の大暴落です。 ちなみにS&P500は18%の下落で先物は29%下落しました。
「世界恐慌」で-12.82%
また元祖ブラックマンデーである、1929年の10月28日月曜日の「世界恐慌」の下落率も大きく-12.82%となっています。
ダウの下落率2位とコロナショック
ダウの下落率2位はかなり最近の出来事でした。
コロナショックによって、ブラックマンデー以来の-12.93%となっています。(2020年3月16日)
また同じ月でコロナショックで2020年3月9日(-7.79%)3月12日(-9.99%)というのもあります。
チャートでみても下がり方で「ここはコロナか」ってわかるもんね
ちなみに、コロナショックの下落は下落率ランキングにかなり組み込まれてるね。
コロナ影響受けすぎ
リーマンショックで-7.87%
ちなみに2008年10月15日のリーマンショックで-7.87%の下落を記録しています。
歴史的事実からいえば、7%や8%を超える大暴落は歴史的な事件になってるってことだね
株式市場は怖いね
その暴落の底で変えた人はいまウハウハ状態だけどね
まとめ
今回はダウについて書いてきましたが、簡単にまとめていきます。
- ダウはアメリカを代表する主要指数の1つです。
- 30銘柄の平均株価によって算出されます。
- 不定期ですが入れ替えが時代の変遷とともに行われています。
- 30銘柄と限られていることもあり現在のダウは時価総額の高いAmazonやGoogleなど含まれていないため主要指数であるとはいえ米国の株式市場を反映しきってるとは言えません。
私は、ダウ平均よりもS&P500のほうが指数としても大切にしています。
ダウ平均はあくまでも伝統的な企業の株価を反映させているという見方で良いと思います。
もっとも、私のポートフォリオを考えればS&P500よりもNASDAQ100指数のほうが影響があるのでNASDAQ100の方が重要です。
この記事が参加しているお題(クリックで下に表示します)