米国株市場は2022年になり非常に不調な時期が続いています。
当然株式市場にも浮き沈みがありますが、どうしても不安になってしまうのが人間というものです。
今回はこの不安を少しでも和らげるためにも、過去の大暴落時に投資をスタートしていたらどのような結果になっていくのかを検証していきます。
結論を申し上げると、大暴落時でも投資をスタートしていれば大きなリターンが得られたということになります。
S&P500、NASDAQ100、レバナスと3つのシュミレーションを行いましたが結果としてリーマン・ショック時から積立投資を行えばかなりの利益が出ていたという結果になります。
私見としては株安の不安はありますが決して積立投資を辞めるという選択肢に陥らないようにしていただきたいです。
今回のシュミレーションではリーマンショックが起きた2008年8月に投資をスタートして翌日に株式市場が大暴落したパターンを検証していきます。
投資をはじめたけど、翌月に株式相場が大暴落するという最悪なスタートをした人の検証だね
いまの相場とは若干は違うかもしれないけど、暴落時に投資をスタートするということは大いにチャンスがあるってことをわかってもらいたいからね。
- リーマンショックのおさらい
- シュミレーションの内容
- リーマンショックからS&P500に毎月積立投資をしていたら?
- リーマンショックからNASDAQ100に毎月積立投資をしていたら?
- リーマンショックからレバナスに毎月積立投資をしていたら?
- まとめ
リーマンショックのおさらい
ご存知の通り、リーマンショックというのは2008年9月にアメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが経営破綻することによって世界的な株価の下落や金融危機が起きた事件です。
ちなみに影響は世界にわたり日本経済も大きな影響を受けました。
日経平均は1982年以来の24年ぶりの安値で一時7,000円を割り込みました。
様々な要因が入り組み合って起きたこの暴落ですが、もしあなたがこのときに勇気を振り絞って投資を行い、あるいは投資を継続していれば結果として10年以上経過した今どのくらいの資産を築いていたのでしょうか?
シュミレーションの内容
今回のシュミレーションとして、毎月の積立金額は10,000円のパターンで検証していきます。
投資対象はS&P500とNASDAQ100,レバレッジNASDAQ100(QLD)にします。
またシュミレーションが大変だったので日々の騰落率では計算せず、月間の騰落率で計算しています。 (2008年8月から2022年5月まで)
毎月1万円ずつ投資し、月間の騰落率を掛けていきます。
では、まずはアメリカの代表的な指数であるS&P500で行っていきます。
- 月額1万円の積立投資を行う
- 投資開始日は2008年8月のリーマンショックの1ヶ月前から2022年5月までの166ヶ月。
- 投資対象は3つ「S&P500」、「NASDAQ100」、「レバナス(QLD)」
自分自身も株式相場への不安を和らげる結果に
ちなみにわたしのポートフォリオにおいては、レバナスに毎日の積立投資、さらに毎月の積立投資のiDeCoをNASDAQ100に投資しています。
そういった意味でも私自身も今回のシュミレーションは非常に勉強になり、投資対象への信頼が更に増す結果となっています。
リーマンショックからS&P500に毎月積立投資をしていたら?
結果としてS&P500にリーマンショックからS&P500に投資を行った結果166ヶ月分で投資元本は1,660,000円になります。
資産は3,871,953円になり、税引前ですが利益としては2,211,953円という結果になりました。
かなり資産が増えてるね。
2倍以上の結果担ってるのはすごいよね。だいたい13年と8ヶ月だからね。
2008年9月にS&P500は-9.08%下落し、その後3ヶ月間下落が続きました。
10月には-16.94%、11月には-7.48%となっています。
12月には反発して-0.78%上がったものの、翌年2009年の年明け1月には-8.57%、2月には-10.99%と極寒の株式市場なにっています。
ただ、マイナスだった投資リターンも、2009年の6月には回復しており、投資開始12ヶ月後の7月には+6,661円と11ヶ月ぶりにプラスに転じています。
そこからは多少の下げはあったものの、マイナスに転じることなく複利の効果も効いて結果として利益では2,211,953円となっています。
S&P500の場合は1年くらい我慢すればプラスに転じてたってことなんだね
いまも大きな下げが続いているけど我慢すれば報われるっていう過去のデータがあるからね。
不安になるのはわかるけど、やっぱり握力って大切なんだね
ただ、次はS&P500よりもボラティリティが大きいNASDAQ100でシュミレーションしてみよう
怖いねw
リーマンショックからNASDAQ100に毎月積立投資をしていたら?
次にNASDAQ100の場合で同様に毎月1万円ずつ投資して、スタートはリーマンショックが起こる1ヶ月前の2008年8月として計算してみます。
結果から言えば、2008年8月にスタートした積立投資は大成功となり、6,118,741円の資産を形成することに成功しています。
元本はS&P500の時と同様に1,660,000円で、税引前の利益は4,458,741円となっています。
もちろん、為替変動や税金や配当などは考慮していませんのでその点はご理解の上ご確認ください。
さすが最強指数のNASDAQ100だね
13年と8月で約3.6倍も資産が増えてるからね
しかも、終わり際は現在の冷え込んだ相場だからね
うん、ちなみに、2021年12月に全部利確しておけば、6,208,958円の利益になってたよ
利益?w元本を含めたらどれくらいになっってたの?
元本を含めたら7,818,958円だね
すごw
タイミングよく利確するのは難しいとおもうけど、仮に利確してれば4.7倍に資産は膨れ上がってたよ
NASDAQ100の場合もS&P500と同様に大きく資産額を増やすことができました。
当然、株式市場とくにハイテク関係に対しては追い風だった相場が続き資産が増えたということもありますが、結果は結果として受け止める必要があります。
2008年8月に10,000円を積み立てはじめて、翌月9月には-14.84%と大きく下落したNASDAQ100ですがその後も下落は続きます。
10月には-16.3%、11月には-11.17%とS&P500よりも大きな下げ幅となっていました。 12月には若干の反発をして+2.18%となりましたが、トータルリターンはまだまだマイナスで1月2月の下落でその含み損は大きくなります。
ようやく含み損が減りだしのは3月です。
2009年4月にはプラスとなり、その後はマイナスに転じることなく順調に資産を増やすことに成功します。
S&P500の場合は、マイナスが2009年の6月まではマイナスだったのでNASDAQ100はS&P500よりも回復が早かったことがわかります。
乱高下が激しいNASDAQ100も我慢すれば報われると信じて積み立てを辞める訳にはいかないよね
なかなか下落相場での積み立て継続、買い増しというのは勇気がいるからね
では、次は問題児でアンチワラワラのレバナスの場合を見てみようか
レバナスは現在壊滅状態になってるからね…w
レバナスでは計算できなかったので、レバナスと同様にNASDAQ100に2倍のレバレッジがかかっているETFのQLDで計算していくよ
リーマンショックからレバナスに毎月積立投資をしていたら?
レバナス(レバレッジNASDAQ100)は設定日がリーマンショック以降ですので、同様にNASDAQ100に対して2倍のレバレッジがかかっているETFのQLDで計算しています。
S&P500、NASDAQ100で計算したなようと同じ方式で、毎月10,000円ずつの投資を2008年8月からスタートしていきます。
結果をお伝えすると、資産は19,731,880円となり、投資元本の1,660,000円を差し引いた税引前の利益は18,071,880円となっています。
すごすぎない?w
レバナスの威力やばすぎw
資産は、2000万円に迫り11.8倍にまで増えています。
2022年以降は資産を減らしまくってはいるものの、ピーク時の2021年12月には34,381,223円となっており、資産は約20倍に達していました。
御存知の通り、年明けからは非常に厳しい状態が続き、レバナス【QLD】は、
- 2022年1月-17.20%
- 2022年2月-9.55%
- 2022年3月+7.87%
- 2022年4月-26.03%
- 2022年5月-4.14%
3月を除いて非常に厳しい状況が続いています。
積立投資の場合は、基本的には投資開始時に株価の下落は歓迎されるものの解約が近づいてきた段階での下落は資産を大きく減らしてしまう可能性があります。
まさにレバナスのこのシュミレーションでの結果は最悪のパターンだったといえます。
ピーク時の2021年12月には34,381,223円から資産は19,731,880円と減っています。
ただ、S&P500や通常のNASDAQ100に比べれば資産の増え方は尋常ではなく大きなリターンとなっているのがわかります。
まとめ
今回のシュミレーションでわかったことは、歴史的な株式市場の暴落があったリーマンショックにおいて投資をスタートしていたとしても資産は大きく増えることがわかりました。
またゴール地点での暴落に対しても資産は目減りするものの結果としては数倍のリターンが生み出されています。
もちろん、これは過去のデータでありたった13年ちょっとの話で、リーマンショック以上の株価の暴落が今後あるかもしれません。
また相場の下落もリーマンショック以上に継続する可能性だってゼロではありません。
しかしながら、大きな下落時に投資をスタートしていれば成功していたという例は紛れもない事実であり、コロナショック、ウクライナ問題を経ても依然として結果がでていることも考慮しなければならないのです。
つまり私が言いたいのは、株式市場が好調だから株をスタートするのではなく、下落局面の「今だからこそ」株式投資をスタートする絶好の機会であるということです。
また現在、私のように積み立て投資を行っているのであれば「不安」になることは理解できますし共感できます。
そんな不安や見えない未来にたいして「積み立て」を決して辞めないで頂きたいです。
もし、ここでやめてしまえば今後来るであろう上昇相場に乗り遅れてしまう可能性もありますし、再びくるであろう未来の暴落にも免疫ができず再び「株」投げ出してしまうおそれもあります。
こうした、不安な局面だからこそしっかりと米国株の勉強をし、米国株、世界経済の成長お信じる必要があります。
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