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知らず知らずに誰かの術中にハマってるって事はありませんか?
「自分はそんな単純ではないし罠なんかにハマるわけ無いわ」という人には、ぜひとも読んでいただきたい内容になっています。
今回は、初心者投資家が陥りやすい「罠」について「ホームマーケットバイアス」について簡単に解説していきます。
という私も投資の始めたてのころは、知らずしらずにこのホームマーケットバイアスにかかっていました。
あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんので用語の説明から始めていきます。
またホームマーケットバイアスに対する対策をお伝えしていきます。
- ホームマーケットバイアスについて本質が理解できます。
- 投資をする上で知って置かなければならない知識が増えます。
- 初心者でも勝てる市場(ラッキーステージ)と血みどろの戦場で戦う場合どちらが安定して勝てるのかわかるようになります。
(初回公開日時:2021年12月27日)
ホームマーケットバイアスとは?
簡単に一言で言えば、ホームマーケットバイアス(ホームカントリーバイアスとも)というのは、投資家が「海外」の投資に慎重になることであり、自国の市場をを優先して投資をしてしまうことです。
私達日本人であれば、海外投資よりも「日本への投資」を優先してしまう傾向にあるということになります。
- 国内の投資家が「海外」の投資に慎重になる
- 自国の投資対象に投資をしやすくなる
- 日本人の場合は日本株や日本への投資を優先し勝ちになる
ホームマーケットバイアスが起こりやすい理由
ホームマーケットバイアスが起こりやすい理由を簡単に説明します。
- 海外マーケットのことはよくわからないから
- 国内マーケットのほうがよくわかっているから
- 国内の企業や経済を「応援」したいから
- 貯金が大好き
よく知らないアメリカ企業と日本企業
自国への投資を優先してしまい、海外への投資をおろそかにしてしまうということはよくあることで、特に初心者投資家には気をつけてもらいたいです。
まず、海外マーケットについてよく知らいないという理由ですが単純にそれは「テレビ」「ネット」、あるいは「 仕事」で日本企業のほうが聞き馴染みがあるからと言うことと関連します。
では、果たして本当にそうでしょうか私達は日本企業のことをそこまで熟知しているのでしょうか。
せいぜい、車メーカーにはトヨタがあって、ユニクロやソフトバンクは株価が伸びているというくらいの知識なのではないでしょうか。
逆に海外の企業をそこまで知らないのでしょうか。
本当に海外の企業を知らないのか?
①私達が普段使っているインターネットの検索サイトは大体「Google」です。
スマートフォンは、アップルかGoogleが開発したアンドロイドではないでしょうか。
②仕事ではマイクロソフトのウインドウズが搭載されたパソコンでエクセルを使い、そのクラウドサーバーはアマゾンのAWSやマイクロソフトのAzureかもしれません。
③通販は、楽天?それともアマゾンじゃないでしょうか。
あるいは、アマゾンプライムビデオやネットフリックスといったストリーミングサービスを活用していませんか。
④SNSは何を使っているでしょうか?ツイッターやインスタグラムは当然アメリカの企業です。
⑤ナイキの靴を履いてコカ・コーラを飲んで、マクドナルドに行って、ウーバーイーツやドミノピザでデリバリーしていませんか。
スターバックスに行ってインスラグラムやツイッターで日常を晒していませんか。
ファイザーやモデルナのワクチンを打って、P&Gのレノアやアリエールで洗濯して、ファブリーズやジョイを使っていませんか?
私達の生活はざっと並べただけでもアメリカ企業の製品に囲まれているのがわかります。
海外マーケットのことを知らないのではなく、身近すぎて気づいていないだけかも知れません。
米国株に興味を持つことで日常の米国企業の製品やサービスに気づく機会も多くなってきます。
本当に日本企業のことについて知っているのか?
逆に私達は日本企業のことについて本当によく知っているのでしょうか。
例えば、近年大きく株価を伸ばしている 東京電産、ファナック、東京エレクトロンなどの事業を説明できるでしょうか。
優良企業といわれている、信越化学工業やキーエンスや村田製作所がどんな事業をやっているか熟知していますか?
日本株に投資を行っている人ならよく知られている企業ですが「聞いたことがある」くらいの認識ではないでしょうか。
何がいいたいのかというと、ホームマーケットバイアスにかかって「聞いたことがある=知っている」と勘違いしているという点です。
逆に、米国株は海外株だし「よく知らない」というのが邪魔して米国株企業の製品を認識できていないだけではないでしょうか。
日本企業や日本経済を応援したい
さて、次にやっかいなのは日本企業や日本経済を応援したいという「気持ち」が邪魔しているという点です。
日本人なら当然、日本企業や日本経済にはもっとがんばってもらいたいという気持ちが出ます。
私もその気持はあります。
その気持は尊敬しますし、大切だと思います。
しかしながら、応援することと投資対象になるというのは別の話として捉えておきましょう。
そもそそもあなたが日本株に100万円投資したろころで、応援になるのでしょうか。
トヨタの時価総額は20兆円を超えています。
100万円投資されたところで、1人も雇えません。
逆に日本経済を応援したいのであれば、アメリカや海外のマーケットで儲けて日本経済に落としたほうがよっぽど応援になります。
外貨を獲得して日本市場に流すわけだもんね
応援っていうのは実際応援になっていないってことだね
微々たるもんよ。
ま、気持ちはすごいわかるんだけどね。
貯金が大好きなのもホームマーケットバイアス
日本人は外国人と比較してもホームマーケットバイアスが強いと言われています。
海に囲まれた島国で独自の文化でガラパゴス化されているというのはよく聞く話ですね。 金融面においてもガラパゴス化は顕著で、家計に占める金融資産も日本人はアメリカやヨーロッパと比べても現金が多いのです。
家計の差については別の記事でも詳しくお伝えしているのでそっちを読んでね
現金の「円」を保有しているということは、「日本円」に投資していることと同じです。
自国通貨である「円」に絶対的な信頼を寄せているのはわかりますが、銀行預金では資産は増えていきません。
安全という意見もあるかもしれませんが、投資をしている人にとって見れば「日本」への一括集中投資以外の何物でもなく、リスクは常に日本とともにあるようなものです。
投資の基本は分散投資
「分散投資」については投資について少しでもかじったことがあればその重要性はご理解していると思います。
分散投資は投資の基本中の基本で、世界中のマーケットに分散投資することでリスクを一定に抑えることができます。
また株だけではなく、金や不動産、債権などのアセットクラスを分散するのも分散投資です。
株の中でも、国別やセクター(業種)に分けて投資することも忘れてはいけません。
日本の銘柄に投資するすることは否定しませんが、分散投資先の1つとしてくらいの認識でいいと思います。
今後成長しそうな新興国や投資魅力にあふれる米国株などに分散投資をすることをは初心者投資家には必須とも言えます。
年金もホームマーケットバイアスにかかりながらも分散投資はされている
私達が毎月納めている年金ですが、年金は「年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)」によって運用されています。
そのポートフォリオは、きれいに分散されているとは言えませんが、分散はされています。
投資割合をおよそ、4分割しており外国株式25%、外国債券25%、国内株式25%、国内債券25%となっています。
半数が国内株だからだいぶ偏りはあるとは思いますが、ホームマーケットバイアスにかかりながらも海外の成長マーケットの恩恵を受けていることになります。
GPIFは世界で最も大きな年金運用機関になりますが、世界で2番目に大きいノルウェーの政府年金基金です。
(ノルウェー政府年金基金-グローバル:通称GPF-G)
ノルウェー年金基金は、債権が30%、株式が70%です。
2020年は10%以上の運用実績をあげており注目されています。
ホームマーケットバイアスを考えてかわかりませんが、基金はノルウェー国外で運用されており、日本株を含めて世界の国々の9123社に分散投資されています。
ヨーロッパの国でありながら、アジアに最も投資先があり(47%)、ついで北アメリカ(23%)、自国のあるヨーロッパには(20%)しか投資をしていません。
日本の年金基金とは投資スタイルが全く違うね
日本の年金基金が日本株を支えているからねw海外に投資すると無駄に情弱に批判もされそうだからね。
ノルウェー年金基金の投資先で最も大きなウエイトを占めているのはアジアですが、国別でみるとアメリカが1番目になっており、米国株の1928社に投資しています(21%)
ついで、日本(16%)、中国(8%)、韓国(5%)、台湾(5%)となっており、ノルウェー自体に投資しているというよりはかなり分散していることがわかります。
ノルウェー年金基金は、1990年にファンドが設立されて現在は約130兆円を運用しています。
国際的な投資を行い、全世界の上場企業の1.4%を保有していると言われています。
1996年5月に政府資金を現在の年金基金に20億クローネを移行して今年で25年になります。 その20億クローネは約11兆クローネになっています。(約5500倍)
5500倍は草
まさに分散投資が実を結んでいる顕著な例だよね
日本のGPIFも順調に資産を伸ばしているとはいえ、大半が国内だし、半分は債権だからここまでは伸びないね
ここから学べるのは、自国のみに投資するのではなく世界の有望な市場に目を向けて分散投資をするということです。
日本株だけではなく、世界に目を向けて投資をしていきましょう。
まとめ
今回は、ホームマーケットバイアス(ホームカントリーバイアス)について簡単に説明してきました。
投資に対するニーズは日に日にましているのが現状です。
当ブログも社会人の初心者投資家さんを中心に社会人の資産運用を手助けしたいと思い記事を書いています。
日本に住み、日本人であるからホームマーケットバイアスにかかるのはある意味当然といえば当然です。
私も株式投資は日本株からスタートしていますし、日本株で大きなリターンは得られていません。
失敗を糧にして米国株を中心に世界中の株式に投資をしており大きなリターンが出るようになっています。
(アメリカ、中国、インド、台湾など)
ホームマーケットバイアスにかからずに適正なリスクをとり、リスクを分散することで大きなリターンや安定的な資産づくりが可能になるというのは、ノルウェーの年金基金が証明しています。
(25年で運用資産額が5500倍)
資産運用をする際には頭に入れておきたい1つとして紹介した今回のホームマーケットバイアスでした。
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