今回は、私達日本人と世界の人達の「投資」に対する考え方の「差」について少し考察していきたいと思います。
結論から申し上げると、
- 日本人は貯金(現金)に重きを置いている傾向が強い
- アメリカ、ヨーロッパなどの先進国は貯蓄よりも投資という意識があり、資産運用を積極的に行っている
- さらにこの2点の差は「金融資産」の差を大きく開けてしまったという結果に至っています。
では、データなどを用いて具体的に考察にはいっていきたいと思います。
投資に対しての注意事項…(クリックで下に詳細を表示します)
この記事は私が投資している銘柄を中心に主要指数・セクター別の動きなどをまとめていきます。主に私が投資しているのはハイテクグロース株でありFANG+銘柄とNASDAQ100になります。レバレッジ型の投資やハイテクグロース株には元本を大きく損なうリスクも有るためご注意ください。投資に対してはリスクを許容した上で投資してください。本記事・ブログにおいての個別銘柄・投資信託・ETFなどについては売買を推奨するものではありませんので予めご理解の上、お読みください。本ブログに掲載された銘柄において損失を被った場合においても責任は一切負いません。
(初回公開日時:2021年11月7日)
世界の金融資産額は増え続けている
2021年6月にコンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループ(BCG、またはボスコン)から出された2021年版のグローバルウェルスレポート(「Global Wealth 2021: When Clients Take the Lead」)によると、 2020年世界全体の金融資産は250兆ドルとなっており、前年より8.3%増えているということにあります。
なお、日本の家計の金融資産額は18兆ドルです。
コロナがあったけど、世界的にはお金が増えてるって結果になってるんだね
世界中の中央銀行が金融緩和したからかな
日本にいるとそんな感じはしないけどねw
次に、2015年から2020年、そして2025年の5年ごとの推移と予測になるのですが、金融資産と非金融資産から負債額引いたものになります。
世界全体では、
- 2015年 312兆円(183+170-41)
- 2020年 431兆円(250+235-53)+6.7%
- 2025年 544兆円(315+296-67)+4.8%
順調に家計の資産が増えていき、世界経済は上向いていくとの予想がされています。
一方で、日本の国別で見てみると、
- 2015年 25.8兆円(16.8+11.8-2.7)
- 2020年 27.6兆円(18.3+12.5-3.1)+1.4%
- 2025年 28.7兆円(19.3+12.7-33)+0.8%
10年間でほぼ横ばいの数字になっているのがわかります。
先進国だから家計のお金の伸び率も悪いんだろというのかもしれませんが、アメリカ(北米)と比較してみましょう。
2015年 95.9兆円(78.7+32.5-15.4)
2020年 136.0兆円(110.6+43.7-18.3)+7.2%
2025年 168.4兆円(135.3+53.8-20.8)+4.4%
アメリカが世界経済を牽引していることがわかります。
同じ先進国であるにせよ、日本の10倍以上のペースで伸びていることがわかります。
明らかに差が開きすぎてる…
世界第2位だった経済大国はいずこに…
アメリカを凌駕する伸びの地域は多く、日本を除くアジア(中国やインドなどがある)は9.5%と4.4%の伸びです。
さらに中南米も、10.0%と7.8%。
さらに言えば、中南米と同レベルに伸びているのがアフリカで10.3%と7.1%と堅調な伸びを見せています。
世界との大きなギャップを感じる事ができるでしょうか。
このレポートの非金融資産というのは「不動産」などとなっているので日本人でいう持ち家などにあたります。
金融資産の成長率が非金融資産の成長率を上回ると予想
レポートの結論としては、「金融資産(株や投資信託)の成長率が、非金融資産の成長率を上回ると予想」しています。
さらに投資信託においては、2020年から2025年の年平均成長率を11.6%としており、もっとも成長率の高い金融資産と報告されています。
年平均11.6%だからね
こんなん保有しないと損じゃん
アコム行ってくるわ!
アコムの金利を調べてから行こうか…
日本と世界の家計の金融資産の構成の違い
では、なぜ世界と日本の家計における「お金」の成長に差がでているのでしょうか。
それは簡単で「日本人が現金が好き」だからです。
この図を御覧ください。日本銀行が出している図で資金循環の日米欧の比較になります。
日本人が現金が大好きであるというのはこの図からもあきらかで、現金を保有している割合は「53.3%」となっています。
一方で、米国においては12.9%と日本の4分の1程度です。
ヨーロッパはアメリカほど低くはありませんが現金は金融資産の割合から言えば3割程度になっています。(34.0%)
株式、投資信託の割合を見てもその差は歴然でとしていて、日本は3.9%投資信託と10%の株式と14%程度しかないありません。
一方で、アメリカは12.0%の投資信託と34.3%の株式を保有しているおり、46.3%でおよそ日本の3倍です。 「低金利」の時代にこれだけの現金を保有しているというのはまさに「死に金」となってしまいます。
- 欧米は日本と比べて家計における資産運用の比率が高い
- 資産運用をしているかどうかで資産の増加に大きな影響を与えている
現金の保有割合が日本は55.7%
別の資料でも同様の内訳どなっており、金融庁のレポートにも日本とアメリカの比較があります。
1995年時点で現金の保有割合が日本は55.7%、アメリカは13.0%となっています。
ちなみに日本の株式と投資信託の割合は、6.8%(株式)と2.8%(投信)で9.6%です。
アメリカは、19.8%(株式)と5.3%(投信)で25.1%と家計の4分の1の割合でした。
それから約20年後の2016年データによれば、日本は現金の比率が若干下がり、株式・投信の割合が上がっているもののアメリカと比べればまだまだ保有率は低いと言えます。
2016年日本の家計における株式・投資信託の割合
- 株式:9.6%
- 投信:5.3%
- 14.9%
年金や保険などに含まれている間接的な株式・投信の割合を含めたとしても18.6%です。 (現金保有率:51.7%)
2016年アメリカの家計における株式・投資信託の割合
- 株式:21.0%
- 投信:9.1%
- 30.1%
さらに、年金や保険などに含まれている間接的な株式や投資信託の割合を含めればなんと、46.2%となっています。
(現金保有率:13.7%)
アメリカの場合、持っていた株式や投資信託の値上がりを含めて国全体の成長とともに家計トータルの資産額も比例してのびており、1995年から2016年に2343兆円から8821兆円という3.7倍にまで増えているのです。
日本は、株式や投資信託の増加も低く、さらにその保有率が低いこともあり、21年間で1182兆円から1815兆円にまでに1.5倍程度にしか増えていません。
ホームマーケットバイアスというものがあり、その国の人はその国に投資しやすいという傾向があることも加味すると日本人は伸び悩む日本株に投資をしているものの日本株は少しか上昇していません。
さらにその上昇も、保有比率が低いため全体に与える影響も少なく全体の数字がほとんど伸びていないということがわかります。
一方で、アメリカの場合は、成長し続けるアメリカ市場に投資をしているという事を考えてなおかつ、株式・投信などの金融資産をおよそ50%も振り分けていることで全体的にも大きく成長し、金融資産も大きく増加しているのです。
金融資産を増やすためにやるべき2つのこと
私の意見ですがここから言えるのは、2つあって、1つは金融資産の割合を増やすということです。
もう1つは、伸びている米国株市場に投資するということです。
日本人だから、日本株に投資しなければならないというルールはなくホームマーケットバイアスにかかっているだけです。
投資に対する姿勢や環境が整い、なおかつ成長する株式市場からの恩恵を受けやすいアメリカと、投資に対して無知であり現金保有率が非常に高い日本、なおかつ低調な成長率の日本株。
この差は、日に日に開いており、後10年すれば目も当てられないほどの差になっていることでしょう。
この記事が参加しているお題(クリックで下に表示します)