今回は、日本株から資金が流出し、海外株(特に米国株)への流入が増えているという事実について私の私見などを織り交ぜてお伝えしたいと思います。
(初回公開日時:2021年6月20日)
若年層のマネーは企業の成長が高い海外株へ向かっている
2021年4月8日の日本経済新聞の記事によれば、 「若年層のマネーは企業の成長が高い海外株へ向かっている」という記述があります。
2021年4月20日同日経新聞によれば、 また、
- 「2020年度は海外株で運用する投資信託に差し引き4兆7000億円の資金が流れ込んだ」
- 「日本に投資する投資心からは1兆4000億円が流出」
- 「海外株の投資信託は日本株の投資の3倍に達する」
との記載まである次第です。
大和証券も米国株事業を強化
国内の金融機関も海外株(米国株)に注力するという記事が出ています。
大和証Gが米国株事業を強化、調査銘柄2倍に-個人に成長株紹介
ニュースを見る…(クリックで下に詳細を表示します)
- 大和証券グループ本社は、米国株事業を強化する。
- 日本株投資に偏りがちな個人投資家向けにシリコンバレーの有望企業などを紹介、成長を取り込んでもらうとともに分散投資の促進に貢献したい考えだ。
- 調査対象とする企業銘柄を2倍に拡大し、現地のアナリストも増員する。
- アップル、グーグルといったコア銘柄に加え、顧客が成長を享受するには「ライジングスター(成長株)を紹介していかないといけない」と説明。
- 米国株のカバレッジを現在の65銘柄から2024年3月末までに2倍超に増やす方針。
- 米国では7人のアナリストが勤務しているが、シリコンバレーに近く成長企業が集まるサンフランシスコの拠点で、さらに2人程度を採用したい考えも示した。
- 日本証券業協会の20年の調査によると、株式投資をしている個人投資家の96%が日本株を保有しているのに対し、外国株の保有率は8.6%にとどまる。
- 小松副社長は「外国株強化の必要性は自明だ。米国の1日の出来高は日本の10倍超、中国でも5倍という巨大市場」と指摘。大和証券のリテール預かり資産のうち、株式は日本株がほとんどだとして、少子高齢化で国内の成長が海外に後れを取る中、「このままのポートフォリオではまずい」との懸念を示した。
- 機関投資家向けには、米国株などに加えてアジア株を売り込んでいく。
みんな日本が嫌いなわけではない
私を含めて、日本に住んでいる以上「日本」という国が嫌いという人は少ないと思います。
むしろ日本が大好きで、日本に生またことに感謝して誇りを持っている人も多いと思います。私もその一人です。
ただし、「好き」と「お金」は別物です。
日本が好きだから日本株に投資するというのは1つの考え方かもしれませんが、私はそうは思いません。
投資は好き嫌いでするものではない
日本が大好き、日本に住んでいるからということだけで、日本株などに投資するというのは過去のリターン、これからの先行きを見ても間違いだと思います。
高齢化・老害だらけ・医療費の増大・汚職まみれ
日本株が若者から人気がない理由というのは、大体イメージが付くのではないでしょうか?
「本当に日本に投資して儲かるのか?」
毎年のように上がる社会保険料や税金で手取りの給料はすり潰されています。
その原因は成長しない国どころか、「衰退」が見えているからです。
特に高齢化による医療費が年々上がり若者世代にとっては大きな負担となっています。
さらにイノベーティブな企業は「出る杭は打たれる」日本の悪しき習慣によって打ちのめされ、ITを始めとするテクノロジー系のインフラはすでにほとんどが日本製のものではなくなっています。
実際に日本人の給料は伸びていない
世界中の先進国の賃金が右肩上がりの中、日本の実質賃金が右肩下がりなのがわかります。
- 投資は好き嫌いでするものではない。
- 日本人の実質賃金は年々下がっている。
- 世界の先進国の実質賃金は右肩上がり。
給料が減る、消費が減る、企業の業績が下がる、給料が減る。負のスパイラルが形成されています。
加えて、老人が増える、若者が減る。社会保険料・医療費が増える、手取りが減る(老人は消費しない)このような状況に置かれているのです。
バブル時代を超えることができない日経平均株価
実際に、日経平均株価をみればバブルを頂点に長らく衰退しており、ようやく日本株も明るい兆しが見えてきたとはいえ、未だにその高値を超えることができていません。
日経平均とアメリカの主要3指数を比較
日経平均と、アメリカの主要指数を比較したグラフがこちらになります。
底辺を30年間這いつくばっているのが日経平均です。
情報が簡単に入手できる今、日本株の魅力がなくなっているのは当然だと言えます。
- 日経平均株価は、新高値を30年以上更新できていない。
- 日経平均はアメリカの3指数と比較すれば、地を這いつくばっているくらい低迷しているのがわかる。
追い打ちをかけたコロナとオリンピックのいざこざ
コロナで観光業は大ダメージ
日本のテクノロジーや産業が厳しい中、希望を見出して行われた「観光立国推進」によって日本は多くの海外観光客であふれるようになりました。
ハードの部分ではなかなか結果が出なかった分、文化など日本のオリジナリティを全面に出した観光は大ヒットします。
しかしながら、ご存知コロナの影響で海外からの渡航客はなくなり観光地は大ダメージを受けています。
加えて言えば、政治家の利権を守るために行われた「GoToトラベル」などの一連の流れは「え?」と多くの人に日本の舵取りをする「オトナ」(老人政治家)に対する不信感を与えるには十分でした。
起爆剤となるはずだったオリンピック
さらに、オリンピックに対する上層部の対応も多くの人の不信感を生んでいます。
すでに、オリンピックの需要(建築など)は終わっていますしこれらのことからオリンピックがあろうがなかろうが、「株価」にとってはそこまで影響がないと思っています。
むしろ日本にとってオリンピックがないほうが株価は上がっていきそうだけどね。
投資は好き嫌いではなく儲かるかどうか
さて、うだうだと話を進めてきましたたが私がいいたいのは「投資は好き嫌いではなく儲かるかどうか」であるということです。
儲かるというのは、投資した資金が「増える」ということであり資金が目減りしても株主優待が貰えればいいというわけではありません。
株主優待をディスらなくてもいいけどね
株主優待はいい面もあるけど、悪い側面はあまり言われないからね
儲かるということは「成長株」に投資する
では、資産運用での「儲かる」というのは簡単に言えば「成長する見込みのある株に投資し、その成長益を得る」ということだと思います。
一方で、日本株に投資するということは「衰退するリスクが非常に高い市場にお金を入れる」ということになります。
もし、あなたが20歳、30歳、40歳としてもまだまだ人生は長いわけです。
大事なお金を「成長する市場」と「衰退するリスクが大きい市場」どちらに預けておきたいですか?
私はこれからも日本の市場からはどんどんお金が流出していくと考えています。
お金は魅力ある市場に流れていきますし、魅力のない市場はますます衰退していきます。
日本の場合は、過去の遺産でまだまだご飯が食べれている状況ですし「内需」がしっかりしているのですぐに衰退することないと思いますが、真綿で首を絞めらられている状態になり、まさらに「ゆでガエルの法則」のような状態だと思っています。
ゆでガエルの法則とは…(クリックで下に詳細を表示します)
ゆでガエルの法則とは、環境や状況の変化が緩やかな場合、実際に起きている危機的状況に気づくことができないことを指す寓話(ぐうわ)です。カエルを冷たい水に入れその水を熱して徐々に温めていくとカエルは温度の変化が緩やかなためカエルは外に逃げ出さず、最後は熱湯の中で茹で上がって死んでしまうという残酷な話です。ゆでガエル理論ともいわれています。日本企業で働き海外に投資する
私は日本でも割と有名な企業に勤めていますが、あたたを含めおそらく、多くの人が日本企業で働いていると思います。
収入をしっかり日本で確保しながら海外へ資金を分散することがこれからの長い将来に対するリスクヘッジになると思います。
もし仮に、日本企業で働きながら日本株に投資するという選択をしている場合は、日本という国が衰退していくときに資産も一緒に減ってしまう場合もあります。
海外投資というのは日本企業で働く人にとっては非常に良い選択だということね
リスクヘッジも大きいし、なにより成長し続けているからね
世界の人口は2050年には101億人
世界の人口は2050年には101億人になると言われています。
日本の影響力は小さくなる一方で、世界は人口の増加で発展し、進化します。(人口ボーナス期)
人口ボーナス期とは…(クリックで下に詳細を表示します)
- 人口ボーナス期は総人口に占める「生産年齢人口 (15歳~64歳の人口) 」が増え続ける、もしくは「従属人口 (14歳以下と65歳以上を合わせた人口) 」に対しての比率が圧倒的に多い状態です。
- 安価で豊富な労働力があり、従属人口が少ないため、教育費や社会保障費の負担が少ない状態です。
- 国家予算を経済政策に振り向けやすく、また他国からの投資を呼び込めるので、経済が活性化します。
少子化・高齢者が増え続ける日本
一方日本はというと、人口が減少し人口に対する高齢者が増え続けています。(人口オーナス期)
人口オーナス期とは…(クリックで下に詳細を表示します)
- 人口オーナス期とは、人口ボーナス期の逆を意味です。
- 一般的に、人口ボーナス期で経済発展に成功した後、医療や年金制度が充実して高齢化が進み人口オーナス期に突入します。
- オーナスとは、「重荷・負担」という意味で「支えられる人」が「支える人」を上回り、社会保障費などが重い負担となるため、消費や貯蓄、投資が停滞します。
高齢者は老害化し、発展させず、消費せず、寿命は伸び薬漬けとなり医療費を食いつぶしていきます。
さらに戦後に復興を遂げた日本のインフラはすでにガタガタで水道管や電線、道路なども老巧化しています。
そんな日本に対して明るい希望を持って日本株に投資する若者は多くなはないと思います。
一貫していいたいのは、私は日本が大好きで、日本人であることに対して誇りを持っています。
しかしながら「好きと投資」は別問題であるということです。
日本で稼ぎ、海外(アメリカ株を中心に)で増やし、日本で消費するそういったスタイルが、もはやスタンダードになってきているということなのではないでしょうか。
最終的には、日本では稼げなくなって行く前に海外で増やしてリアイアやFIREといった形で国家には縛られず、自由を手にしたい人が増えてきていると思います。
ホームマーケットバイアスかかりやすいから注意しないとね!
日本の社会保障は「積立方式」ではない
日本の年金の仕組みは今現年金機構に吸い取られているお金は現在の老人たちのために使われています。
つまり、今私達が収めている年金は「積立」ではないということです。
賦課方式(ふかほうしき)といった仕組みです。
労働人口が減少している今、今後はますますこの賦課方式での社会保障の制度が盤石な保証は全くありません。
つまり、納めた年金は納めた金額以上で返ってくるは限らないということです。
個人で積み立てる個人型の年金(iDeCo)くらいは初めておいてもいいかもしれません。
その際は、衰退する「日本株」への投資ではなく、アメリカのS&P500やまたは全世界に投資できる全世界株式インデックスファンドなどにしておくと分散できていいと思います。
私はNASDAQ100にiDeCoは100%振り向けています。
NASDAQ100のiDeCo用の投資信託があるのは、マネックス証券 だけです。
楽天証券やSBI証券でもiDeCo用の投資信託は豊富ですが、NASDAQ100に投資できないので私はマネックスで開設しました。
働く人が減れば負担は大きくなり、老人の割合が増えれば当然負担はさらに大きくなっていく状態では今後まだまだ「問題」は出てくると思います。
- 日本の社会保障は積立制度ではなく、支える人と支えられる人が別れている「賦課方式」であるということ。
- 年金が納めた以上に支払われる可能性は極めて低くむしろ目減りする可能性すらある
- 個人の年金(iDeCo)は月5,000円でもいいから積み立てておいてもいいかも。
- iDeCoをするなら、日本以外の市場に投資したほうがいいよ。
まとめ
話をまとめていくと、日本の若者は「日本株」から世界の成長株に視線が集まっています。
またそれは金融機関や日本の投資会社でも同じことが言えます。
なぜなら、日本は過去30年間全く成長しておらず、今後も成長する見込みが無いことが「若者」を中心にバレてしまっているからです。
加えて、日本の現役世代は社会保障制度の仕組み上リタイアした世代を支える状態になっています。
年金が出る出ないという話ではなく(年金は出るが、少なくなる)年金を自分でも準備できる制度「個人型確定拠出年金:iDeCo」ができています。
そういった意味でも、老後を考えて個人型確定拠出年金(iDeCo)くらいは海外に向けて投資する選択がいいのではないかと、私は思っています。(iDeCoは60歳以上にならないと原則引き出せないので注意が必要です)
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