今回は七福神の女神「弁財天」(べんざいてん)についてまとめていきたいと思います。
なお、弁財天の書き方は複数あります。 弁才天・辨財天・辯才天などありますが、本ブログに置いては「弁財天」と記載させていただいております。
人材を人財と書くような痛い会社とは違うからね!
なお、弁財天が所属するチーム「七福神」についてはこちらにまとめています。
目次
「七福神」とは?
七福神の概要として、簡単にお伝えすると「福をもたらす7柱の神様」のことを指します。
七福神の神様の名前は下記のようになります。
- 恵比寿:福、商売繁盛、漁業の神様
- 大黒天:豊作の神様
- 福禄寿:長寿と幸福の神様
- 毘沙門天:勝負事の神様
- 布袋:開運、良縁、子宝の神様
- 寿老人:福徳、長寿の神様
- 弁財天(弁才天):学問、財福の神様
今回はこの七福神のなかの「弁財天」を紹介していきます!
弁財天のご利益
主に弁財天のご利益は「金運」にまつわるものが多いですが、その他弁財天は様々なご利益があります。
- 戦勝
- 勝負事
- 国家鎮護
- 学問・弁舌(べんぜつ)
- 音楽上達
- 増益
- 海上安全
- 交通安全
- 豊漁
- 商売繁盛
- 知恵
- 財福
- 恋愛成就
- 子孫繁栄
- 子授け
- 技芸上達
- 長寿延命
ご利益が多いわね
祀られてる場所や地域によってもご利益が変わってくるからね
経典によれば、弁財天と書かれているくらいですので、「財」にまつわる金運招福の神様(仏様)として日本では信仰されています。
弁財天の真言
オン ソラソバテイエイ ソワカ
真言は何回となえてもいいんだって。
真言というのは、大日経などの密教に由来します。
意味としては、「真実」、それが転じて「仏の言葉」を指します。
真言は、言葉というよりも「音」を大切にしています。
よって、翻訳はせずにそのまま伝えることが大事です。
弁財天とは?
弁財天は、七福神の神様オールスターの中で唯一の女性の神様です。
インドからの神様
弁財天は古代インドの美しい川の女神「サラスバティー」が仏教に取り入れられたものです。
「サラスバティー」はインドの聖なる川の名前です。
時代の変遷によって、日本においては市寸島比売命(イチキシマヒメ)と神仏習合していきました。
神様か仏様なのかっていうと迷うところね
明治時代になると神仏分離で同一視された弁財天も別々にわかれることになったんだね
市寸島比売命
市寸島比売命(イチキシマヒメ)という神様で宗像三女神の一柱です。
- 多紀理毘売命(タキリヒメ命)
- 市寸島比売命(イチキシマヒメ命)
- 多岐都比売命(タギツヒメ命)
日本においても、「水」に関連する女神様であることから、湖や池・島・海辺などで多く祀られています。
また、川の流れは囁くような妙音を響かせてくれるということから「音楽」「技芸」の才能の神様としても信仰されています。
いろんな解釈で広がりを見せてるんだね
弁財天は「弁才天」とも下記、「才能」の「才」とも捉えられており「才能の神様」としても信仰されています。
弁財天のデザイン
弁財天のお姿は大きく分けて3つのタイプに分かれています。
- 八臂弁財天:八臂(はっぴ)姿で武器を持つ
- 二臂弁財天:琵琶を持つ
- 鳥居や宇賀神を乗せた宇賀弁財天
八臂弁財天:初期タイプの八臂姿で武器を持つ弁財天
初期型の弁財天のデザインとして扱われるのが「八臂弁財天」です。
「金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)」という経典にお姿の記述があります。
基本的には、戦神としてのイメージが強く八本の腕に弓・矢・剣・斧などの武器を持っているのが特徴です。
奈良県の東大寺にある「弁財天立像」のように日本に初期に入ってきた弁財天は「八本の腕」がありました。
二臂弁財天:琵琶を持つ
一般的にイメージしている弁財天と合致するようなデザインの弁財天は「二臂弁財天」です。 琵琶を持ち、唐風な衣装をまとっています。
この姿はよく見るわね
初期の弁財天に神話の市寸島比売命(宗像三女神)と集合します。
日本三弁天である、
- 竹生島(滋賀県琵琶湖)
- 江ノ島(神奈川県)
- 厳島(広島県)
はこの例になっています。
神奈川県の江島神社に祀られているような「裸の弁財天」もいます。(裸弁財天)
鳥居や宇賀神を乗せた
神仏習合の極みのようなお姿の弁財天は、「頭に宇賀神・鳥居」を乗せています。
また武器以外にも「宝珠」や「鍵」などを持った弁財天もおり、「福徳」「財宝」の正確も加わっています。
宇賀神と弁財天
宇賀神は日本の神様ですが、日本神話には出てきません。
体が蛇で、頭がおじいちゃんという「翁面蛇体」の神様です。
あたまがおじいちゃんの蛇…
中世以降に弁財天と宇賀神という「蛇」の神様が習合します。
銭洗弁財天(ぜにあらい)
金運スポットして「銭洗弁財天」というのがあります。
特に有名なのが、神奈川県鎌倉市にある「銭洗弁財天宇賀福神社」です。
「霊水によって銭(お金)を洗うことで金運・財運上昇・商売繁盛・一族繁栄などのご利益がある」と伝わります。
銭洗弁財天の歴史
源頼朝が見つけた霊水
その歴史は1185年の巳の月、巳の日、巳の刻ことです。
鎌倉幕府初代将軍の源頼朝はある夢を見ます。
宇賀神から「この地に湧き出す水で神仏の供養をすれば天下泰平が訪れる」というお告げを授かります。
頼朝は、現在の「銭洗弁財天宇賀福神社」のある岩壁に湧く霊水を見つけ宇賀神を祀ったのです。
霊水で銭を洗う
1257年(正嘉元年:巳の年)に鎌倉幕府5代執権の北条時頼(ときより)が、「霊水で銭(通宝)を洗って一族の繁栄を祈願」しました。
そのことが銭洗いの始まりといいます。 時頼は、「辛巳」(かのとみ)、「なる」、「かねの日」が、全ての人々に福徳が授けられる日だしています。この日に参詣することをすすめました。
お札は洗うとふやけてしまいそうだから、小銭にしてるけどね。
銭洗弁財天(全国)
「銭洗い」ができる弁財天をまとめます。
- 達磨寺(北海道北広島市)
- 金華山黄金山神社(宮城県石巻市 牡鹿半島東南端 孤島)
- 銭洗弁財天宇賀福神社(神奈川県鎌倉市)
- 塔之沢深沢銭洗弁財天(神奈川県箱根町)
- 妙圓寺 土屋銭洗弁天(神奈川県平塚市)
- お湯かけ弁財天(静岡県賀茂郡東伊豆町)
- 三光稲荷神社(愛知県犬山市)
- 富吉神社 銭洗尾張弁財天(愛知県海部郡蟹江町城)
- 六波羅蜜寺(京都市東山区)
- 大願寺(広島県廿日市市宮島町 厳島神社隣接)
- 羅漢寺(島根県大田市) 筥崎宮(福岡県福岡市東区)
気になる全国の銭洗弁財天をピックアップしてみました!
いずれも金運招福のご利益がありそうな寺社だから近場の人も行ってみるといいかもね
主な弁財天
弁財天が祀ってある神社やお寺をご紹介していきます。
日本三弁天
日本三弁天と称されるのが先程書きましたが下記の三社になります。
- 宝厳寺竹生島神社(滋賀県長浜市:竹生島)
- 大願寺(広島県廿日市:宮島)
- 江島神社(神奈川県藤沢市:江島)
すべて「島」にまつわり、水辺に近い神様というのがわかります。
三大弁天には諸説あるため、「五大弁天」と称されることがあります。
日本五大弁天
五大弁財天になると、下記の二社が加わります。
- 天河大弁財天社(奈良県吉野郡天川村)
- 金華山黄金山神社(宮城県石巻市 牡鹿半島東南端 孤島)
関東三弁天
- 江島神社弁天堂(神奈川県藤沢市江の島)
- 浅草寺 弁天堂(東京都台東区東浅草)
- 紅龍山 布施弁天 東海寺(千葉県柏市布施)
江戸六弁天
東京(江戸)における有名な弁財天は6つあり、「江戸六弁天」といわれており、下記の6社になります。
組み込まれている七福神(弁財天)も記しておきますので一緒に七福神巡りをしてみてはどうでしょうか。
- 厳島神社(東京都新宿区余丁町):新宿山の手七福神
- 冬木弁天堂(東京都江東区冬木):深川七福神
- 不忍池弁天堂(東京都台東区上野公園):谷中七福神
- 江島杉山神社(東京都墨田区千歳)
- 洲崎神社(東京都江東区木場)
- 金剛寺(東京都北区滝野川)
まとめ
以上、七福神の一角である「弁財天」をまとめてきました。
ちなみに私がこれまで参拝した弁財天の寺社です。
七福神唯一の女神ということもあり親しみのある神様(仏様)だと思います。
ご利益を求めて参拝するものいいと思いますし、偶然参拝したところに弁財天がいらっしゃった場合は是非この記事を思い出していただきたいなと思います。
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私掲載されている御朱印をもらえる神社やお寺も豊富ですし都内の七福神巡りと組みわせて紹介されているの非常におすすめです。「次にどこにいこうかなぁ」なんて考えるときも最高に楽しいです。
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