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今回は、インフレに強い銘柄をピックアップしていきたいと思います。
市場はハイテクグロースを置いてきぼりにしており、バリュー株を中心にダウ・S&P500は史上最高値を更新し続けている展開です。
一方のハイテクグロースが多いNASDAQに関しては上値を押さえつけられている展開が続いています。
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(初回公開日時:2021年5月23日)
グロース株が弱い2つの要因
要因としてはいくつかありますが、2つの理由を上げるとすれば、金利とインフレ懸念です。
- 金利の上昇
- インフレ懸念
金利の上昇
金利についてはデイリー記事でも毎日取り上げているように金利が上がれば割高なグロース株の価値が下がってしまうという原理です。
コロナによって、大きく下げた金利はじわじわと上がっているのがわかります。
金利の上昇の追い風になっているのは、コロナにおいて割安で置いてけぼりだった金融株やバリュー株を中心とした銘柄です。
インフレ懸念
もう一つの要因としてあげるのは、「インフレへの懸念」です。
インフレというのは、ものすごく簡単に言えば「物の価値があがること」であり、「お金の価値が下がる」ということです。
「インフレが起こるのではないか?」という不安真理から、株価の重しになっています。
超単純化して言えば、インフレになりものの値段が上がれば買い物ができなくなり経済活動が活発ではなくなるからです。
インフレ時に起きる、景気後退期についてはこちらの「スタグフレーション」の記事で紹介しています。
インフレとテーパリング
また、市場にお金をどんどんと供給しているため一部が株式市場に流れており株高担っています。
(市場にお金をドバドバながすことを量的緩和といいます。また略称として「QE」と言ったりします。)
そのドルの引き締め(テーパリング)もインフレになれば行われるとされています。
金融引き締めが行われば当然株式市場に流れてくるお金の量は減り株価は下落してくる企業も出てきます。
コロナウイルスの感染拡大
- 企業と個人がやばい「クビな!」
- 「物が売れない」
- お金を市場に流して個人や企業を助けよう、給付金あげるわ!
- お金ジャブジャブ、でも使うとこないな…
- お金の価値下がるんなら、株やビットコインに変えとこ(株価、ペニー株やグロース株の上昇・BTCの上昇)
- コロナ終わりそう ワクチン効果ありそう!
- どんどんコロナの規制も緩和するで!
- 買い物に出かけるで!たんまり金あるし。(消費拡大)
- 待って、そんなに在庫ないわ!値段上げるわ!(インフレ)
- え、材料がない?ええわ、買うわ!(コモディティ価格の上昇)
- インフレになるんだったら金融引き締めしようかな(テーパリング)
- 金利も上げるで! 株式市場からお金が抜ける(下落)
今回の米国でのインフレ懸念は非常に特殊だとも言えます。
- コロナからの急激な需要
- 好調な住宅市場によって木材の高騰
- テキサス大寒波による、プラスチックなどの高騰
- 半導体不足
FRB(アメリカの中央銀行)のパウェルも、財務長官のイエレンも「インフレは一時的だ」とは言っているものの、市場はインフレに対して過敏に反応するものです。
そこで、今回はインフレに対して強い銘柄をご紹介していきたいと思います。
インフレに対して強い銘柄
ここでは、アンチインフレーショントレードとして、CNBCマッドマネーで紹介された銘柄を中心に、「資源」「エネルギー」「金融」のセクターで紹介を進めています。
スタメン
- 1.(右)バリック・ゴールド【GOLD】
- 2.(一)JPモルガン・チェース【JPM】
- 3.(中)ニューコア【NUE】
- 4.(三)フリーポート・マクモラン【FCX】
- 5.(左)ベダンタ【VEDL】
- 6.(遊)ゴールドマン・サックス【GS】
- 7.(二)パイオニアナチュラル【PXD】
- 8.(捕)シェブロン【CVX】
- 9.(投)キャタピラー【CAT】
【控え】
- テックリソーシズ【TECK】
- バンク・オブ・アメリカ【BAC】
- ニューモント・マイニング【NEM】
アンチインフレーション打線どう?
外国人打線、めっちゃ強そう、相手チームは震え上がってそう。
代打の切り札として、バンカメもいるから
アンチインフレーション銘柄「資源」銘柄
フリーポート・マクモラン【FCX】
フリーポート・マクモランは天然資源の採掘や開発を行う会社です。
景気の拡大と主に、資源価格が高騰し今後もインフレ懸念があることから非常に期待のできる銘柄です。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
フリーポート・マクモランは天然資源会社。銅、金、モリブデンの探鉱、開発、採掘を行う。北米、南米、インドネシア、アフリカで鉱山を操業し、主要鉱山はインドネシアのグラスベルグ鉱山。北米に石油・天然ガス資源を所有するほか、精製・精錬事業を北米とスペインで展開。本社はルイジアナ州。*1
- S&P500構成銘柄
テック・リソーシズ【TECK】
テックリソーシズはカナダの天然資源(金属など)を開発加工する企業です。
資源開発系の会社は非常にインフレには強くさらに資源の価格高騰に恩恵を受けます。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
テック・リソーシズは、カナダの金属鉱業会社。金属などさまざまな資源の探鉱、開発、加工、製錬などを行う。主要製品は、石炭、銅、亜鉛など。また、貴金属、鉛、モリブデン、電力、肥料およびその他金属の生産を手掛ける。さらに、オイルサンド開発プロジェクトと風力発電プロジェクトにおけるパートナーシップ持分を所有する。*2
ニューコア【NUE】
アメリカの大手の鉄鋼メーカーです。
鉄も同様にインフレに強くさらに建築計画が進むアフターコロナにおいては非常に追い風になります。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
ニューコアは米国の鉄鋼メーカー。熱延・冷延鋼板、鋼板、構造用鋼、鋼棒を扱う。また、鋼鉄梁、大梁、鉄甲板、冷間仕上げ鋼材、留め金、建設用鋼材、軽量鉄骨枠、鋼製グレーチング、エキスパンドメタル、ワイヤー、金網などを製造。その他に、直接還元鉄の製造、金属・非鉄金属、銑鉄の売買のほか、合鉄金の供給や鉄鋼・非鉄鋼屑の処理を行う。*3
- S&P500構成銘柄
最近の株価の上がりがすごいね!
キャタピラー【CAT】
キャタピラーは建設機械や、大型エンジンを手掛けるほか、資源開発用の機械なども提供しています。
建設需要、さらに進む資源開発にたいして非常に恩恵を受ける企業です。
原材料のコストについては打撃をうけないというガイダンスもありましたし、自らもマイニングビズネスを行っているため事業ヘッジが効いています。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
キャタピラーは建設機械や大型エンジンの米国大手メーカー。建設産業部門は建設用機械を製造し、バックホウローダー、スキッドステアローダ、ホイールローダ、トラック掘削機などを含む。資源産業部門は鉱山用の電動ショベル、ドラグライン、タイヤドーザ、電子制御装置、トンネル掘進機など、電気システム部門はレシプロエンジンやタービンを扱う。*4
- NYダウ構成銘柄
- S&P500構成銘柄
ベダンタ【VEDL】
※アメリカ市場での取引停止に伴いADRで購入することができなくなりました。2021年11月
新型コロナウイルスの感染拡大が収まる気配がないインドからの銘柄です。
インドの天然資源の開発大手で、今年に入り順調に株価を伸ばしています。 配当利回りも3%以上ありますし、開発が期待できるインドということもあり私も非常に期待しています。
感染拡大が収まらないことはリスクですがいずれは感染拡大が収まってきます。
インドでの需要が出てくるまでは、アメリカ等の感染が収束する需要に答えつつ、インドの感染が収束すればインド国内の開発でも需要がより一層出てくるのではないかと思っています。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
ベダンタは、インドの天然資源会社。インドを中心にオーストラリア、アラブ首長国連邦、南アフリカ、ナミビア、アイルランドで事業を展開する。おもに亜鉛、石油・天然ガス、鉄鉱石、銅、アルミニウム、および商用発電事業を手掛けるほか、港湾操業やインフラ資産の開発、運営を行う。本社はインドのゴア州パナジ。ベダンタ*5
2021年11月初旬に米国での取引停止になり日本の主要証券会社で取引できなくなりました。
そんなことあるんだね、投資してたんだよね?
だいぶプラスになったから良かった!
バリック・ゴールド【GOLD】
インフレ懸念に対しては、「金」の価格の上昇が期待できます。
お金の価値が薄まるということは相対的に「金」などの希少金属の価格が上昇するからです。 金価格の上昇症とともに期待できるのは、「金鉱株」です。
金鉱株というのは、金の採掘などを行っている会社です。 なかでも、バリック・ゴールドはウォーレン・バフェットも目をつけていた銘柄ですので非常に安定感がありす。(2020年第3四半期に取得→2021年2月すべて売却済み) ここから金価格が調整局面を抜けて上昇していくのではないかという期待感もありますのでそういった意味でも金鉱株は狙い目かもしれません。
バフェットは航空株や金融株を底で売ってるからね
そこから鬼リバしてるからね
だいぶ損してると思うわ、おじいちゃんに短期売買は向いてないってことね
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バリック・ゴールドはカナダの金採掘会社。カナダ、米国、オーストラリア、南米諸国で鉱山の運営、開発、採掘を展開。主要鉱山は米国ネバダ州のコルテッツ鉱山とゴールドストライク鉱山、チリのラグナス・ノルテ鉱山、ドミニカ共和国のプエブロ・ビエホ鉱山など。また、銅の生産や石油と天然ガスの所有権を保有。本社所在地はトロント。*6
- 金鉱株銘柄
ニューモント【NEM】
ニューモント・マイニングもバリック・ゴールドと同様に大手の産金会社として金価格の上昇とインフレに対しては非常に力強いと思います。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
ニューモントは米国の鉱業会社。米国ネバダ州、メキシコ(ラ・エラデューラ鉱山)、ペルー(ヤナコッチャ鉱山とコンガ鉱山)、ガーナ(アハフォ鉱山とアキーム鉱山)のほか、オーストラリアとニュージーランドで金の生産と探鉱を展開。また、インドネシア(バツヒジャウ鉱山)とオーストラリア(ボディントン鉱山)で銅の生産も行う。*7
- S&P500構成銘柄
- 金鉱株銘柄
アンチインフレーション銘柄「エネルギー」銘柄
資源系の銘柄と同様に社会の血液となる「エネルギー」銘柄もインフレに強いと言えます。
シェブロン【CVX】
スーパーメジャーの一社であり、バフェット銘柄としても有名なシェブロンです。
高配当銘柄としても非常にバリュー投資家からも人気の銘柄です。
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シェブロンは石油、化学、発電事業を世界的に展開する米国の大手エネルギー会社。石油事業は原油・天然ガスの生産のほか、石油精製品の販売に加え、原油や天然ガスのパイプライン輸送を手掛ける。化学事業は石油化学製品、工業用樹脂、燃料などの製造。事業は探査・生産(上流工程)と精製・販売・輸送(下流工程)の2部門で構成される。*8
- NYダウ構成銘柄
- S&P500構成銘柄
パイオニア・ナチュラル・リソーシズ【PXD】
エネルギー系はどちらかといえば、バリュー系ですがそのなかでもグロースよりなのがこのパイオニアナチュラルリソーシズです。
パイオニアナチュラルリソーシズは石油や天然ガスなどを生産します。
2021年4月には、ダブルポイントエナジーを買収するなど積極的な攻勢にも出ています。 この買収は北米石油業界でも次第規模の買収案件となっています。
原油価格は順調に上がっており、石油産業にとっては非常に追い風になっています。
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パイオニア・ナチュラル・リソーシズは米国の独立系エネルギー会社。石油や天然ガスの探鉱・生産に従事する。主にテキサス州西部のパーミアン盆地において、天然ガス、天然ガス液、石油の開発、探鉱、生産、権益取得、鉱区運営を行う。専門的で一貫した坑井管理、廃水・汽水・再生水の活用を通じて、総合的な節水活動を行う。本社所在地はテキサス州アービング。*9
アンチインフレーション銘柄「金融」銘柄
インフレは金融銘柄と相性が悪いと言われています。
しかしながら、今回のインフレは一時的なものの見方とも言えます。
冒頭にもお伝えした通り、木材・鉄価格の上昇、プラスチック業界に大打撃を与えた大寒波だったり、半導体不足などは一過性のものであると考えるのであれば金融銘柄にとってはこのインフレは本来のインフレと異なった状況とも言えます。
景気拡大とともに企業への融資などは増えさらには経済活性化は金融株にとっては追い風となります。
さらに、仮に資源化開発を行う設備投資を行う際にも金融機関からの借り入れは増えていくと考えられます。
インフレに伴い、金利が上がってくることは銀行にとっては非常に強いファンダメンタルとなります。
当然、原材料となる半導体やプラスチックなどに関しては銀行・金融株には影響ありません。
バンク・オブ・アメリカ【BAC】
アメリカ大手のバンク・オブ・アメリカもここのところ順調に株価を上げています。 金利上昇という追い風になっています。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
バンク・オブ・アメリカは米国の大手銀行・金融持株会社。全米と世界40以上の国々で展開。預金口座、貸付、クレジットカード、証券仲介、保険と投資信託の販売のほか、加盟店向けカード決済サービス、企業・機関向け株式、債券引受、資産運用・管理、合併・買収アドバイスなどのサービスを提供。消費者不動産業サービスやグローバル資産・投資管理サービスも提供。*10
- S&P500構成銘柄
ゴールドマン・サックス【GS】
ゴールドマン・サックスは最大手の投資銀行で企業買収案件なども非常に好調です。
金利の上昇のヘッジになる銘柄ともなると思います。
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バンク・オブ・アメリカは米国の大手銀行・金融持株会社。全米と世界40以上の国々で展開。預金口座、貸付、クレジットカード、証券仲介、保険と投資信託の販売のほか、加盟店向けカード決済サービス、企業・機関向け株式、債券引受、資産運用・管理、合併・買収アドバイスなどのサービスを提供。消費者不動産業サービスやグローバル資産・投資管理サービスも提供。*11
JPモルガン・チェース【JPM】
バンカメ、ゴールドマン・サックスと同様に大手のJPモルガンも非常に順調に株価を上げています。
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JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは米国の大手金融持株会社。JPモルガン・チェース・バンクは米国23州で銀行業務に従事。チェース・バンクUSAはクレジットカード発行を手掛ける。非銀行系のJPモルガン・セキュリティーズは投資銀行、債券・株式業務を行う。米国外の約60カ国において金融事業を展開する。本社はニューヨーク。*12
- NYダウ構成銘柄
- S&P500構成銘柄
まとめ
以上9銘柄を「アンチインフレーション銘柄」としてご紹介してきました。
ここからはしばらくインフレ懸念のリスクと、さらにテーパリング、金利上昇というリスクを抱えながら過ごしていかなければなりません。
そういった意味でもグロース株投資家にとっては厳しい局面になってくると思います。 そんな中で、ヘッジとしてこうした大型の「アンチインフレーション銘柄」を持っておくことで心にゆとりが出てくるかもしれません。
私は引き続きレバレッジNASDAQ100への積立投資は毎日続けていきますし、レバレッジFANG+に対しても積みてて行くつもりです。
長期的にモテもハイテク企業にとっては明るい未来があると信じていますし、圧倒的なパフォーマンスを叩き出してくれることを期待しています。
とはいえ、持ち株すべてをグロース株にしてしまうということはジリ貧にもなってしまうリスクがあるので少しずつ現金化、あるいはアンチインフレーション銘柄にシフトする戦略をとっていこうと思っています。
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