- 最終更新日時:
今回は話題の「バイナウペイレイター(BNPL)」についてお伝えしていきたいと思います。
世界中の新しいショッピングのトレンドとして注目されている『後払い』の「バイナウペイレイター(BNPL)」の解説と、「バイナウペイレイター(BNPL)」関連銘柄についてお伝えしてきます。
- バイナウペイレイターとは?
- バイナウペイレイターが若者世代に支持される2つの理由
- バイナウペイレイターは今後どうなっていくのか
- バイナウペイレイター関連銘柄の動き
- バイナウペイレイター関連銘柄
投資に対しての注意事項…(クリックで下に詳細を表示します)
この記事は私が投資している銘柄を中心に主要指数・セクター別の動きなどをまとめていきます。主に私が投資しているのはハイテクグロース株でありFANG+銘柄とNASDAQ100になります。レバレッジ型の投資やハイテクグロース株には元本を大きく損なうリスクも有るためご注意ください。投資に対してはリスクを許容した上で投資してください。本記事・ブログにおいての個別銘柄・投資信託・ETFなどについては売買を推奨するものではありませんので予めご理解の上、お読みください。本ブログに掲載された銘柄において損失を被った場合においても責任は一切負いません。
(初回公開日時:2021年9月20日)
バイナウペイレイターとは?
- 後払いでの決済が可能(金利がかからない)
- 後払いでの分割が可能(金利がかからない)
- 与信審査がない(クレジットカードを持っていない人も利用可能)
バイナウペイレイターは、今現在キャッシュレス決済の新しいトレンドとして注目されています。
「バイナウペイレイター(BNPL)」は、一言で言えば、「後払い決済サービス」です。
多くのフィンテック企業がこの市場に対して熱い視線を向けておりその攻防も激しくなってきています。
バイナウペイレイターを簡単に説明するとすれば、クレジットカード不要で後払いができ、その場で決済することで商品が手に入るというものです。
バイナウペイレイター「Buy Now, Pay Later」を直訳すると「今買って後で支払う」というものですのでそのままですね。
ネット決済などを中心に現在急速に広がっています。
- バイナウペイレイター「Buy Now, Pay Later」を直訳すると「今買って後で支払う」
- バイナウペイレイターはクレジットカード、与信不要の「後払い決済サービス」のこと。
「バイナウペイレイター」での買い物の流れ
簡単に流れを説明すると、
- ユーザー(消費者)がオンライン等で商品を購入する際に「BNPL」を選択します。
- BNPL事業者が支払い方法を提示します。(一括や分割など)
- ユーザーが支払い方法を決定します。
- BNPL事業者が小売店(加盟店)に立替支払いを行います。
- BNPL事業者は立替と同時に商品価格から決済手数料を「小売店」から徴収します。
- 決済後は小売り店はユーザーに商品を発送(受け渡し)します。
- ユーザーは定められた決済方法で代金をBNPL事業に支払う
大まかに言うとこのような流れになります。
クレジットカードと類似する点は多くありますが、(BNPL事業者は一時的に支払いを建て替える)利率や事前審査等といった点ではクレジットカード事業者とは相違が見られます。
BNPLは基本的にはユーザーには利息や手数料は課されません。
分割にしても利子がつかないっていいね!
だからBNPLでの買い物もすごい勢いで増えてるんだよね。
その分、BNPL事業者は手数料を加盟店から徴収するのが一般的です。
一部ではクレジットカードよりも高い手数料だとも言われています。
また審査が行われないこともあり、最初の買い物は上限金額が低く設定されていることも多く買い物を重ねるにつれて上限が引き上がっていく仕組みになっています。
BNPLをユーザーがが利用する理由は以下の理由が挙げられています。
- クレジットカードの金利・手数料を払いたくない(39%)
- 他に適当な決済手段がない(38%)
- 与信審査がなく借り入れができる(25%)
- クレジットカードを利用したくない(16%)
- クレジットカードの審査に通らなかった(14%)
- クレジットカードの限度額がいっぱい(14%)
アメリカのBNPL利用者1862人を対象とした調査ではこのような結果になっていました。*1
限度額いっぱいまで買い物するなよ…
BNPLを利用する年齢層はこの様になっています。
利用経験を調査した結果です。
- 18歳から24歳:38%
- 25歳から34歳:47%
- 35歳から44歳:50%
- 45歳から54歳:42%
- 54歳~:21%
調査によればアメリカの25歳から44歳の半分の人がBNPLを利用していることになります。
いわゆるZ世代(10歳代後半~20歳代前半)とミレニアル世代(20歳代半~30歳代)の使用率が非常に高いことがわかります。
若者に多く支持されているのはわかるね。
若年層にBLPLが支持されている2つの理由
- クレジットカード離れ
- コロナにおけるオンラインショッピングの拡大
若年層にBLPLが支持されている理由①クレジットカード離れ
若年層は高年齢世代よりもクレジットカードの保有率が低くなっています。
アメリカの学費などはびっくりするくらい年々あがっています。
そういった学生ローンの負担などが重くなっています。
学生などを中心にクレジットカードスコアの観点からクレジットカードが持てないというケースが増えています。
よって、BLPLだけではなく銀行口座から直接即時引き落としされるデビットカードが主要な決済手段として選択されています。
デビットカードはかなり安心して使えるし便利だよね
ポイントもつくしね
若年層にBLPLが支持されている理由②コロナにおけるネットショッピングの拡大
もう一つ若者に支持されている理由としては、コロナの状態においての急速なネットショッピングの拡大が挙げられます。
多くの国でロックダウンや外出禁止、自粛が求められる中ネットショッピングは急速な拡大をしています。
2020年のアメリカでは前年比で44%もネットショッピングが拡大したというデータがあります。*2
高額な商品ををオンラインで購入する機会が増えたこともあり、デビットカードでは対応できない場合はBNPLを活用していると考えられます。
バイナウペイレイター市場は今後どの様になっていくか
今後のバイナウペイレイターをめぐる状況や市場などどの様になっていくのか考察していきたいと思います。
結論から言うと、
- バイナウペイレイター(BNPL)市場は今後も拡大することが予想される
- BNPL事業者も増え競争は激化する
- 貸し倒れリスクが表面化し規制の動きもある
BNPL市場は今後も拡大
BNPL市場は今後も拡大していくことが予想されます。
理由としては、ネットショッピング(EC市場)市場が今後も拡大していくことが予想されているからです。
『Global Payments Report2021』によれば、2020年から2024年にかけて利用率はアメリカでは1.6%から4.5%に拡大されるとの報告があります。
ヨーロッパにおいても同様に拡大されると報告されており、7.4%から13.6%となっています。
さらに送金に関してもBNPL事業者を利用する(手数料が安い)人が増え銀行送金の11.1%を上回る見込みとなっています。
一般的な決済手段として浸透しつつあるから、「当たり前』になってくるかもね
BNPL事業者も増え競争は激化する
先程申し上げましたが、今後は市場も利用者も拡大していくという見方のなか今後は現在のフィンテック企業だけではなく決済サービスを行っている大手の参入なども相次ぐと考えられます。
実際に、ネット決済大手のペイパル【PYPL】が2021年9月に日本の後払いサービスを行う「ペイデイ」を約3000億円で買収しています。
さらに同じく決済大手のスクエア【SQ】は2021年8月にオーストラリアの後払い決済サービスを行うアフターペイを3兆1900億円(株式交換にて)で買収しています。
決済関係以外の会社としてはアップル【APPL】がゴールドマン・サックス【GS】と共同で「Apple Pay Later」「Apple Pay in 4」「Apple Pay Monthly Installments」などの支払いオプションを用意しています。
またアップルはカナダのiPhone販売でアファーム【AFRM】と提携しています。
2021年8月にはAmazonがアファームと提携しています。
日本でもメルカリなどの事業者がすでに後払い決済なども行っています。
今後は、大手銀行の参入などもされると見られており、事業者同士の競争も激化すると考えられています。
現在BNPL企業は世界中に50社あると言われています。*3
今後はネットショッピング以外の分野にも拡大すると見られています。
例えば、病院などの医療やペット、さらに自動車や航空会社など様々なBNPL関連企業がIPOするという見方があります。
貸し倒れリスクが表面化し規制の動きもある
>察しの通り後払い決済にはリスクも伴います。
貸し倒れや、債権の販売など売上規模が上がっていけばいくほどそのリスクは大きくなると考えられます。
実際にイギリスでは規制の動きが先んじて報道されています。
イギリスの後払い決済市場は27億ポンド(約3885億円)に登っており500万人が利用しています。
実際に多くの人が支払いの滞納が起きています。
まだまだBNPLは歴史の浅い業界ですので明確なルールなどが存在していないことも規制が加わる理由です。
クレジットカードの場合は支払いが滞れば信用会社などに報告し信用スコアを算出する機関(米国ならFICO)がありますが、BNPLは報告する企業と報告しない企業があります。
これからはクレジットカード同様に個人の信用スコアなどを管理する規制などもできると考えられます。
貸し倒れリスクと債権化
ちなみに、与信もなく気軽に後払いを無利息で利用できるBNPLのリスクは支払い能力がなくなりお金が回収できなくなることです。
しかし、そのリスクは銀行によって債権化され機関投資家などに販売されます。
そんなリスクだらけの債権を買う人なんているの?
実際リスクが大きいけど回収できなくてもリスクは少額で限定的と考えてさらり高利回りだとすれば投資する人もいるんだよね
ただこうした販売された債権はBNPLが普及すれば膨らんできますし回収できない債権も増えてきます。
そうしてかつて不動産で同じように起きたサブプライムローンのようにいつかバブルが弾けてしまう可能性が出てきます。
リーマンショックだね
一概には同じ様になるとは限らないけどBNPLは割と似た感じで世界中にリスクをばらまいているという見方もできるからね
とはいえ、直近1年2年でそのリスクが顕在化し爆発するということは考えにくいですのでまだまだ市場は大きくなっていき、消費を後押しする材料にはなりそうです。
ただし、未回収のお金が膨らみその債権は機関投資家や金融機関が保有しているというのを頭の片隅に入れておく必要はあると思います。
問題が顕在化するまえに規制も入ってくると思うけどね
主だったBNPL銘柄
主だったBNPLを展開する企業をまとめいくね。
アファーム【AFRM】
POしたばかりですが、ペイパル出身のマックス・レブチンがCEOのフィンテック企業です。 Amazonとの提携などで一躍BNPL銘柄として急先鋒となっている銘柄になっています。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
■アファーム・ホールディングスは米国のフィンテック企業。主にオンラインやモバイルでのEコマースにおける後払いサービスを提供する。若年層にユーザーが多く、商品の購入時点で融資を申し込み、後払いや分割払いの支払いを簡潔で透明性のあるプロセスにする。本社所在地はカリフォルニア州サンフランシスコ。*4
- ペイパルマフィア銘柄
- フィンテック銘柄
クラーナ【スウェーデン】
すでに全世界で9,000万人ユーザーがおり、17カ国250,000もの小売店と提携しています。 ソフトバンクも出資しており今後はますますBNPLプレイヤーとして拡大することが予想されています。
アメリカ国内でもすでに20万人が利用してるらしいよ
上場はまだしていませんが、遅くとも2022年、早ければ2021年内にはIPOするかもしれません。
アフターペイ(オーストラリア)※スクエア【SQ】が買収
アフターペイは2015年でオーストラリアのメルボルンで設立。 アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランドで展開しており、2020年時点は約1000万人のアクティブユーザーを抱えています。 加盟店は5.5万社 スペインのBNPLの「Pagantis」を買収したことによってヨーロッパでも拡大中です。 さらにインドネシアの「EMPAT KALI INDONESIA」を買収してアジアにも進出しています。 スクエアが買収したことで、アメリカ国内での普及をしていくと考えられます。
スクエア【SQ】
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
■スクエアは米国のソフトウエア企業。主にPOS(ポスレジ)のソフトウエアを開発、販売する。同社製品「スクエア・レジスター」は販売時点情報管理システムで領収書、在庫管理、売上報告書などの作成をサポート。また、「スクエア・キャピタル」は売り手側に翌日の決済や振込ができるシステム。スマートフォンやタブレットでの業務が可能。本社はサンフランシスコ。*5
ペイパル(PayPal)【PYPL】
日本企業の「ペイジー(Paidy)」を買収したことによって日本国内(世界で3番目に大きい市場)に加えて米国内での普及を目指しています。
すでにネット決済の大手として存在感を示しているペイパル加盟店は2900万店あるといわれていますのでBNPLの普及はなお一層加速すると考えられます。
マルケタ【MQ】
マルケタはアメリカのフィンテック企業です。
2021年6月にIPOした会社でBNPL企業の縁の下の力持ち的な立ち位置の会社です。 具体的に言うと、マルケタのプラットフォームを活用することで様々な企業がプリペイドカードやデビットカード、クレジットカードを発行できるようになります。
アファームやスクエア、ウーバーやドアダッシュなどが顧客になっています。
すでに発行したクレジットカード(バーチャルクレジットカードを含む)は3.2億枚にもなっています。 直接的なBNPLプレイヤーではありませんがフィンテック企業が顧客となりそしてフィンテック企業を支えている企業になります。
この銘柄の紹介:…(クリックで下に詳細を表示します)
■マルケタは米国のフィンテック企業。デビットカードやクレジットカードを発行する銀行や企業向けにAPIを提供し、カードの発行と支払い処理業務をサポート。VisaやMastercardを含む会社とのパートナーシップをもち、同社ソリューションはデジタルバンキング、融資、eコマース、オンデマンドサービスなどに利用されている。本社所在地はカリフォルニア州オークランド。*6
- フィンテック銘柄
- BNPL(バイナウペイレイター)銘柄
まとめ
今回は、バイナウペイレイター「BNPL」についてお伝えしていきました。 今後の市場の拡大とともに成長すると予想されているため非常に投資妙味があると思います。
ただ、それに伴い大手金融機関の参入や、貸し倒れリスクなど、規制などのリスクも有ることを考えなければなりません。
個人的にはアファームがIPOをしたときに買っているので非常に思い入れがある銘柄であり、市場です。
この記事が参加しているお題(クリックで下に表示します)