今回は、8月アノマリーに引き続き9月のの米国株市場の様子を占うべき過去の相場を振り返ってみて9月の平均騰落率などを出していきたいと思います。
もちろん、未来はだれにもわかりませんし、ましてや株式市場などは予想はできるものの多くの人が予想を外してしまうものです。
あくまでも「アノマリー」になってしまいますが、未来を予想売るヒントが過去に埋もれているのであれば、それを参考にして将来の予想に生かして行きたいと思います。
アノマリーとは…(クリックで下に詳細を表示します)
■アノマリー(Anomaly)というのは、現代のポートフォリオ理論や、相場のその他の理論の枠組みやフレームワークなどでは説明ができないものの経験則や過去の統計などから観測できる規則性のことを指します。例えば、月間では何月が上がりやすいなどから言われたりするものです。よく言われてるのが5月に株式相場が下がりやすいことから「セルインメイ」などと言われることもあります。
では、9月の過去の実績を見ていきましょう。
今回参考にするのは、9月の過去の実績ですがアメリカの代表的な指数であるS&P500と、私が集中して投資している「NASDAQ100」にフォーカスを当てていきます。
S&P500の場合は、(データの集計上)1970年から約過去50年の歴史を遡ります。 NASDAQ100の場合は(データの集計上)1985年10月から の歴史を振り返ります。
- S&P500指数:1970年から約過去50年の歴史
- ナスダック100指数:1985年10月から の歴史
- 結論から言えば、9月のパフォーマンスは非常に厳しい結果となっています。
- S&P500は過去52年の歴史から9月のパフォーマンスは-0.72%下落していることがわかりました。(8月+0.21%)
- 同様にNASDAQ100の場合は、36年の歴史から9月のパフォーマンスは -0.37%(8月+0.72%)という成績でした。
- 9月はアノマリー的にももっとも1年で下落率が高い月の一つともいわれています。
- 逆に言えば年末にかけての大きな仕込み時のタイミングとも言えます。
9月って割りと下がってるんだね。
過去をみていくと9月が下落しやすいってことがわかるね。
では、詳しく内容に入っていきます。
よかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ちなみに先月の相場は過去記事でご確認ください。
S&P500の9月
まずはS&P500の9月から見ていきます。
過去53年を振り返り、9月の平均騰落率は-0.72%とマイナスになっていることがわかりました。
この図をご覧になってわかるように、多くの年で9月は下落していることがわかります。
禁煙でも2020年と2021年では大きな下落も入っています。
S&P500が9月に上がった年ランキング
全体的に厳しいとされる9月の成績をランキングで見ていきます。どの年が厳しかったのか、逆にどの年が一番良かったのかを見ていきましょう。
- 2010年9月:8.76%
- 1998年9月:6.24%
- 1996年9月:5.42%
- 1997年9月:5.32%
- 1995年9月:4.01%
- 1973年9月:4.01%
- 1988年9月:3.97%
- 2007年9月:3.58%
- 2009年9月:3.57%
- 2013年9月:2.97%
9月で高パフォーマンスを出している年は集中しており、1995年から1998年の4年間のパフォーマンスがトップ2位から5位を占めている状況でした。
直近でもっともパフォーマンスが良かったのも2013年とトップ10には最近では全く入っていないもの特徴てきます。
このことからやはり、9月は近年非常に厳しい状況が続いているというのが覗えます。
S&P500が9月に下がった年ランキング
- 1974年9月:-11.93%
- 2002年9月:-11.00%
- 2008年9月:-9.08%
- 1986年9月:-8.54%
- 2001年9月:-8.17%
- 2011年9月:-7.18%
- 1981年9月:-5.38%
- 2000年9月:-5.35%
- 1990年9月:-5.12%
- 2021年9月:-4.76%
逆に下がった年をみていくと、非常に厳しい結果担っているのがわかります。
- 1974年9月:-11.93%
- 2002年9月:-11.00%
- 2008年9月:-9.08%
いずれも10%近い大きな下落があることがわかります。
さらに全体的に見ても大きな下落の年が多く、さらに局地的な下落ではなくまんべんなく数年に1度のペースで大きな下落があったことわかります。
特に2021年と最近の月間パフォーマンスにおいても-4.76%と大きな下落で株式市場の冷え込みが秋の訪れにリンクしているかのような状況になっています。
下落回数は52年で28回となっており、50%以上の確率で下落するというのが9月になります。
下落した場合の平均下落率は-3.82%と割を大きな下落もあることから注意が必要な月になりそうです。
よって、9月のレンジとしては上がるとしても+2.89%から下がった場合は-3.82%のレンジが予想されます。
下がる確率は60%と高めになっており、上昇したとしても3%程度も上がらない厳しい月が9月ということになります。
- 9月にS&P500が上昇した回数は24回であり平均は+2.89%
- 8月にS&P500が下落した回数は28回であり平均は-3.82%
- 大きな下落は頻繁に起きており、直近の2021年も-4.76%と大きな下落をしています。
あくまでもアノマリーだけど9月が厳しい月になっていることが多いのはわかったね。
ただ不安だけはなくてマックスと最低ラインを把握してれば安心感にもつながるからね。
NASDAQ100の9月
NASDAQ100の場合はS&P500と比べて若干違うのがまだまだ歴史の浅い指数であるということです。
指数化されたのが1986年前後であるためS&P500とは数字にばらつきも生じやすいというのを念頭においておく必要があります。
といっても、NASDAQ100はS&P500を大きくアウトパフォームしてきた歴史があります。
さて、NASDAQ100の9月もS&P500と同様にマイナスのパフォーマンスに陥っています。
トータルでは36年間で平均騰落率は-0.37%とNASDAQ100の激しいボラティリティの中ではおとなしい結果となっていますが、ボラティリティ以上にマイナスのフォーマンスというのが非常に気になります。
(8月は+0.72%)
9月米国なんかでも下半期のスタートになると思って心機一転買いがはいってプラスになるのかと思いきやおもったよりショボい結果になってるね。
金融機関なんかの買いの注文は多いかもしれないけど、9月は歴史的に見ても大きな下落があったことから全体では厳しい結果になってるね。
直近で見てみても、
- 2021年9月:-5.73%
- 2020年9月:-5.72%
- 2019年9月:+0.76%
非常に厳しいパフォーマンスだったこともわかります。
36年間のうち上昇した回数は、20回で下落した回数は16回と勝率は割と高いですが、7月のようにダブルスコアをつけるほどの圧倒的な傾向とはいえません。
とはいっても「勝率は割りと高いがマイナスパフォーマンス」というのが9月のナスダック100の傾向ではないでしょうか。
NASDAQ100が9月に上がった年ランキング
S&P500と同様にNASDAQ100も9月に調子の良かった年と悪かった年を見ていきます。
まずは上昇率が高かった年を見ていきます。
- 1998年9月:17.99%
- 2010年9月:13.05%
- 1996年9月:11.15%
- 2009年9月:5.77%
- 2007年9月:5.15%
- 1988年9月:4.89%
- 2006年9月:4.71%
- 2013年9月:4.70%
- 1992年9月:4.65%
- 2004年9月:3.22%
最近の数字がほとんど入っていないねw
最近の数字いえば、
- 2016年9月:2.19%
- 2013年9月:4.70%
- 2010年9月:13.05%
最近の10年で上昇した付きも非常に少なく、3年毎に上がるのかということも少し考えましたが、2019年は+0.76%とやはり上がっています。
つまり、3年毎に上昇するというアノマリーがあるとすれば、2022年の8月は上る可能性も残されているとうことになります。
こじつけすぎない?w
だよね・・・
36年のうち、20回上昇しており、そのうち3回が10%を超える大幅上昇しています。
上昇した20回の上昇率は4.46%と5%に迫る勢いです。
(8月は22回で2回しか10%以上の上昇はなかった)
勝率5.5割でなおかつ5%近くのパフォーマンスが過去のデータから読み取れます。
では、逆に5.5割以上ある勝率のなかでも負けた4.5割の方の下落した統計を見ていきます。
NASDAQ100が9月に下がった年ランキング
- 2001年9月:-20.50%
- 2008年9月:-14.84%
- 2000年9月:-12.43%
- 2022年9月:-11.66%
- 1986年9月:-9.36%
- 1990年9月:-8.55%
- 2021年9月:-5.73%
- 2020年9月:-5.72%
- 2011年9月:-4.54%
- 2003年9月:-2.80%
逆にNASDAQ100が下落した回数は36年間で16回となっており、下落した年の平均は-6.41%となっています。
この数字はほとんど8月の数字ともよりも大きな下落率であることから、下落する可能性が高いと同時に下落幅も非常に大きいことが覗えます。
約45%の確率で負けていますが、負けたらその分大きく負けているという印象です。
特に上位3位までの
- 2001年9月:-20.50%
- 2008年9月:-14.84%
- 2000年9月:-12.43%
いずれもマイナス12%を超える下落率ということもあり油断すると大敗してしまうリスクもNASDAQ100の9月には隠されています。
ただ勝率は55%と若干ですが勝ち越している歴史もありますので、堅実に勝ってくれる付きも多かったという見方もできます。
よってレンジとしては、もし9月にNASDAQ100が上がったとしてもおよそ、4.46%程度になり、下落した場合は-6.41%まで下落することを視野に入れておいたほうが良いかもしれませんね。
- 8月にNASDAQ100が過去36年を振り返って上昇した回数は22回であり平均は+4.46%
- 逆に8月にNASDAQ100が過去36年で下落した回数は16回であり平均は-6.41%
- 直近の2021年と2020年と2年連続で大きく下落しています。
- S&P500と同様に9月は非常に厳しい月だと予想できますが、逆に下落幅を利用することで買い増しを行えば年末のラリーに向けて大きく資産額を増やすチャンスの月という見方もできます。
まとめ
過去は過去ですし、財政状況や経済状況、構成する企業や、世界情勢を含めて様々な要因が複雑に変化している時代です。
あくまでも過去の実績やデータであることを念頭においておく必要があります。 ただ、こうした過去のアノマリーを気にする人も一定数いることからそれが相場に与える影響もゼロではありません。
重要ではない情報ではありますが、こうした過去の歴史を頭の片隅に少しでも入れておくことによって正しい投資判断ができるかもしれません。
あくまでも投資は自己責任において行い、様々な情報を吟味して慎重に行っていきましょう。
また過去のシュミレーションとしては、リーマンショックから投資をしていたらどうなっていたのかを検証していきます。
厳しい相場続いていますが、過去から学ぶことも多くあります。
不安になることもあると思いますが、冷静な投資の判断をこれからもしていきましょう。
この記事が参加しているお題(クリックで下に表示します)