今回は、7月アナマリーに引き続き8月のの米国株市場の様子を占うべき過去の相場を振り返ってみて8月の平均騰落率などを出していきたいと思います。
もちろん、未来はだれにもわかりませんし、ましてや株式市場などは予想はできるものの多くの人が予想を外してしまうものです。
あくまでも「アノマリー」になってしまいますが、未来を予想売るヒントが過去に埋もれているのであれば、それを参考にして将来の予想に生かして行きたいと思います。
アノマリーとは…(クリックで下に詳細を表示します)
■アノマリー(Anomaly)というのは、現代のポートフォリオ理論や、相場のその他の理論の枠組みやフレームワークなどでは説明ができないものの経験則や過去の統計などから観測できる規則性のことを指します。例えば、月間では何月が上がりやすいなどから言われたりするものです。よく言われてるのが5月に株式相場が下がりやすいことから「セルインメイ」などと言われることもあります。
では、8月の過去の実績を見ていきましょう。
今回参考にするのは、8月の過去の実績ですがアメリカの代表的な指数であるS&P500と、私が集中して投資している「NASDAQ100」にフォーカスを当てていきます。
S&P500の場合は、(データの集計上)1970年から約過去50年の歴史を遡ります。 NASDAQ100の場合は(データの集計上)1985年10月から の歴史を振り返ります。
- S&P500指数:1970年から約過去50年の歴史
- ナスダック100指数:1985年10月から の歴史
- 結論から言えば、8月は過去の数字から見ればほどほどといえます。(良くもなく悪くもない)
- S&P500は過去52年の歴史から8月のパフォーマンスは+0.21%(7月+0.79%)でした。
- NASDAQ100の場合は、前月の7月には見劣りするものの36年の歴史から8月のパフォーマンスは +0.72%(7月+1.44%)という成績でした。
では、詳しく内容に入っていきます。
よかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ちなみに先月の相場は過去記事でご確認ください。
S&P500の8月
まずはS&P500の8月から見ていきます。
過去53年を振り返り、8月の平均騰落率は0.21%とプラスになっていることがわかりました。
この図をご覧になってわかるように、多くの年で8月は上昇していることがわかります。
2018年から2021年の8月は3年連続であがっていることも期待できる要因です。
S&P500が8月に上がった年ランキング
割りと好成績が多い8月ですが、8月が上昇してきた年のランキングをまとめてみました。
- 1982年8月:11.60%
- 1984年8月:10.63%
- 1986年8月:7.12%
- 2020年8月:7.01%
- 2000年8月:6.07%
- 1979年8月:5.31%
- 1970年8月:4.45%
- 2014年8月:3.77%
- 1994年8月:3.76%
- 1971年8月:3.61%
1980年代には10%を超える上昇を見せている年が2回ほどあり全体を押し上げています。それ以外の8月は比較的控えめな数字が並んでいるように思えます。
また、直近で言えば2020年のコロナショックからの反発の7.01%も4位にランクインしているものの2010年代のランクインは比較的少ないように感じます。
52年のうち上昇した年は、トータルで30回と勝率は5割を上回っていますし、その30回の平均で言えば3.39%と8月の0.21%を大きく上回っています。
では、次に逆に下がってしまった年のランキングを見ていきましょう。
S&P500が8月に下がった年ランキング
- 1998年8月:-14.58%
- 1990年8月:-9.43%
- 1974年8月:-9.03%
- 2001年8月:-6.41%
- 2015年8月:-6.26%
- 1981年8月:-6.21%
- 1997年8月:-5.75%
- 2011年8月:-5.68%
- 2010年8月:-4.74%
- 1988年8月:-3.86%
逆に下がった年をみていくと、
- 1998年8月:-14.58%
- 1990年8月:-9.43%
- 1974年8月:-9.03%
いずれも20年以上も前のデータが上位を占めていることがわかります。
4位の2001年の-6.41%も上位3つの-9%を超える暴落時よりはマシに見えます。
下落回数は52年で22回となっており、40%程度の確率で下落するというのが8月です。
下落した場合の平均下落率は-4.13%と割を大きな下落もあることから注意が必要な月になりそうです。
よって、8月のレンジとしては上がるとしても+3.39%から下がった場合は-4.13%のレンジが予想されます。
上がる確率は60%だが、大きな上昇はそこまで見込めないが、下がる確率の40%を引き当てた場合は-4.13%となり非常にナイーブな夏休みとなりそうです。
- 8月にS&P500が上昇した回数は30回であり平均は+3.39%
- 8月にS&P500が下落した回数は22回であり平均は-4.13%
- 下落したのを遡ると2019年と遡り、-1.81%となっています。
- 直近では
- 2021年:2.90%
- 2020年:7.01%
- 2019年:-1.81%
- 2018年:3.03%
あくまでもアノマリーだけどレンジがわかってると少し安心できるね。
マックスと最低ラインを把握してれば安心感にもつながるからね。
NASDAQ100の8月
NASDAQ100の場合はS&P500と比べて若干違うのがまだまだ歴史の浅い指数であるということです。
指数化されたのが1986年前後であるためS&P500とは数字にばらつきも生じやすいというのを念頭においておく必要があります。
といっても、NASDAQ100はS&P500を大きくアウトパフォームしてきた歴史があります。
さて、NASDAQ100の8月をほぼほぼトントンという結果になっています。
トータルでは36年間で平均下落率は+0.72%とNASDAQ100の激しいボラティリティの中ではおとなしい結果となっています。
8月はバカンスに行く人も多いし、日本では夏休みもあるからね、相場は動きにくいとか言うよね。
金融機関の取引が減ってるとすれば確かにボラティリティは生まれにくくなるもんね
36年間のうち上昇した回数は、22回で下落した回数は14回と勝率は割と高いですが。7月のようにダブルスコアをつけるほどの圧倒的な傾向とはいえません。
とはいっても割りと勝ってるのが8月。
NASDAQ100が8月に上がった年ランキング
S&P500と同様にNASDAQ100も8月に調子の良かった年と悪かった年を見ていきます。
まずは上昇率が高かった年を見ていきます。
- 2000年8月:12.97%
- 2020年8月:11.05%
- 1994年8月:7.49%
- 1987年8月:6.73%
- 2018年8月:5.84%
- 1993年8月:5.61%
- 1991年8月:5.60%
- 1999年8月:5.55%
- 2003年8月:5.03%
- 2012年8月:4.91%
2000年代というか割りと最近がランクインしてるね!
最近の数字いえば、
- 2020年8月:11.05%(2)
- 2018年8月:5.84%(5)
- 2012年8月:4.91%(10)
- 2014年8月:4.88%(11)
最近の10年で暴騰した月をピックアップしてみましたが、10年で4%以上上昇したのが6回もあることは8月の期待感につながります。
ただ7月と比べると10%を超えて大暴騰した回数がたったの2回であることからあまり大きな上昇は見込めないような気がします。
36年のうち、22回上昇しており、そのうち2回が10%を超える大幅上昇しています。
上昇した24回の上昇率は4.86%と5%に迫る勢いです。
勝率6割でなおかつ5%近くのパフォーマンスが過去のデータから読み取れます。
では、逆に6割以上ある勝率のなかでも負けた3割の方の下落した統計を見ていきます。
NASDAQ100が8月に下がった年ランキング
- 1998年8月:-17.20%
- 1990年8月:-13.32%
- 2001年8月:-12.71%
- 2015年8月:-6.85%
- 1998年8月:-5.61%
- 2010年8月:-5.18%
- 2011年8月:-5.15%
- 1992年8月:-3.74%
- 1997年8月:-2.97%
- 2004年8月:-2.26%
逆にNASDAQ100が下落した回数は36年間で14回となっており、下落した年の平均は-5.79%となっています。
この数字はほとんど7月の数字とも大差ありませんでした。
3割の確率で負けているという低確率ではあるのですが、負けたらその分大きく負けているという印象です。
特に上位3位までの
- 1998年8月:-17.20%
- 1990年8月:-13.32%
- 2001年8月:-12.71%
いずれもマイナス12%を超える下落率ということもあり油断すると大敗してしまうリスクもNASDAQ100の8月には隠されています。
ただ勝率は6割と大きく勝ち越している歴史もありますので、無難に勝ってくれるような月ではあります。
よってレンジとしては、もし8月にNASDAQ100が上がったとしてもおよそ、4.86%程度になり、下落した場合は-5.79%まで下落することを視野に入れておいたほうが良いかもしれませんね。
- 8月にNASDAQ100が過去36年を振り返って上昇した回数は24回であり平均は+4.86%
- 逆に8月にNASDAQ100が過去36年で下落した回数は14回であり平均は-5.79%
- 直近の2021年と2020年と2年連続で上昇しています。
まとめ
過去は過去ですし、財政状況や経済状況、構成する企業や、世界情勢を含めて様々な要因が複雑に変化している時代です。
あくまでも過去の実績やデータであることを念頭においておく必要があります。 ただ、こうした過去のアノマリーを気にする人も一定数いることからそれが相場に与える影響もゼロではありません。
重要ではない情報ではありますが、こうした過去の歴史を頭の片隅に少しでも入れておくことによって正しい投資判断ができるかもしれません。
あくまでも投資は自己責任において行い、様々な情報を吟味して慎重に行っていきましょう。
また過去のシュミレーションとしては、リーマンショックから投資をしていたらどうなっていたのかを検証していきます。
厳しい相場続いていますが、過去から学ぶことも多くあります。
不安になることもあると思いますが、冷静な投資の判断をこれからもしていきましょう。
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