今回は、6月の米国株市場の様子を占うべき過去の相場を振り返ってみて6月の平均騰落率などを出していきたいと思います。
もちろん、未来はだれにもわかりませんし、ましてや株式市場などは予想はできるものの多くの人が予想を外してしまうものです。
しかしながら未来を予想売るヒントが過去に埋もれているのであれば、それを参考にして将来の予想に生かして行きたいと思います。
では、6月の過去の実績を見ていきましょう。
今回参考にするのは、6月の過去の実績ですがアメリカの代表的な指数であるS&P500と、私が集中して投資している「NASDAQ100」にフォーカスを当てていきます。
アノマリーとは…(クリックで下に詳細を表示します)
■アノマリー(Anomaly)というのは、現代のポートフォリオ理論や、相場のその他の理論の枠組みやフレームワークなどでは説明ができないものの経験則や過去の統計などから観測できる規則性のことを指します。例えば、月間では何月が上がりやすいなどから言われたりするものです。よく言われてるのが5月に株式相場が下がりやすいことから「セルインメイ」などと言われることもあります。
S&P500の場合は、(データの集計上)1970年から約過去50年の歴史を遡ります。 NASDAQ100の場合は(データの集計上)1985年10月から の歴史を振り返ります。
- S&P500指数:1970年から約過去50年の歴史
- ナスダック100指数:1985年10月から の歴史
結論から言えば、6月は過去の数字から見ればあまり大きなパフォーマンスを残している歴史はないということがわかります。
S&P500は過去52年の歴史から6月のパフォーマンスは+0.36%でした、 NASDAQ100の場合は、37年の歴史から6月のパフォーマンスは +0.62%という成績でした。
では、詳しく内容に入っていきます。
よかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです。
S&P500の6月
まずはS&P500の6月から見ていきます。
過去53年を振り返り、6月の平均騰落率は0.36%とプラスになっていることがわかりました。
ただ、0.36%というのは決して12ヶ月においては決していい成績とはいえません。
前月の5月は伝統的に下落されるとする「セルインメイ」と言われながらも6月よりも高く0.43%となっています。
ちなみに、7月の成績にいたっては0.79%と5月6月以上の成績を出していました。
過去の数字を見て、51年間で上昇した6月で少々した年が30回、下落した年が22回という結果になっています。
おもったより上昇した回数の方が多かったんだね
そうだね、NASDAQ100をあとでやるけど、NASDAQ100の場合は下落した回数のほうが6月は多かったからね、意外っちゃ意外だね
S&P500が6月に上がった年ランキング
なかなか厳しい6月ですが、過去に大きな上昇があったとしもあったので、まずはそちらをまとめていきます。
- 2019年6月+6.89%
- 1999年6月+5.44%
- 1987年6月+4.79%
- 1977年6月+4.54%
- 1975年6月+4.43%
- 1997年6月+4.35%
- 1988年6月+4.33%
- 1976年6月+4.09%
- 2012年6月+3.96%
- 2000年6月+2.39%
2019年は最近とは言え、他の数字はいずれも20年以上経過している年ばかりがランクインしています。
1位の2019年6月はともかく、それ以下は2012年6月の3.96%が9位にランクインしており6月の好成績はなかなか望めないのかもしれないという結果になっていました。
また上昇した年の30回分の6月の成績を平均すると2.52%とまずまずの成績になっています。
S&P500が6月に下がった年ランキング
- 2008年6月-8.60%
- 2002年6月-7.25%
- 2010年6月-5.39%
- 1970年6月-5.00%
- 1991年6月-4.79%
- 1994年6月-2.68%
- 2001年6月-2.50%
- 1972年6月-2.18%
- 2015年6月-2.10%
- 1982年6月-2.03%
逆に下がった年をみていくと、
- 2008年6月-8.60%
- 2022年6月-7.25%
- 2010年6月-5.39%
いずれも2000年代となっており、上昇したときの年よりも下落した年のほうが「近い」結果になっています。
また下落した年の22回の平均をみてみると、-2.59%となっています。
- 6月にS&P500が上昇した回数は30回であり平均は+2.52%
- 6月にS&P500が下落した回数は22回であり平均は-2.59%
NASDAQ100の6月
NASDAQ100の場合はS&P500と比べて若干違うのがまだまだ歴史の浅い指数であるということです。
指数化されたのが1986年前後であるためS&P500とは数字にばらつきも生じやすいというのを念頭においておく必要があります。
といっても、NASDAQ100はS&P500を大きくアウトパフォームしてきた歴史があります。
NASDAQ100の1986年からの6月の成績は、+0.62%とプラスになっているのですが、5月はもっと成績はよく37年間で1.75%と好調です。(2022年6月を除く)
ただ5月は1.75%で7月は1.44%と6月が極端に凹んでいることがわかります。
つまり、5月や7月に比べては成績が落ちやすいのが6月の実績です。
37年間のうち上昇した回数は、18回で下落した回数は19回となかなかNASDAQ100にとって6月はなかなか分が悪い月になっています。
NASDAQ100が6月に上がった年ランキング
S&P500と同様にNASDAQ100も6月に調子の良かった年と悪かった年を見ていきます。
まずは上昇率が高かった年を見ていきます。
- 2000年6月+13.23%
- 1998年6月+12.19%
- 1995年6月+10.23%
- 1999年6月+9.91%
- 1988年6月+9.05%
- 2019年6月+7.62%
- 2021年6月+6.34%
- 2012年6月+3.60%
- 2004年6月+3.44%
- 2014年6月+3.01%
過去を遡ってみると、
- 2000年6月+13.23%
- 1998年6月+12.19%
- 1995年6月+10.23%
と10%を超える相場が3年あったことがわかります。
ただこれはドットコムバブルの幕開けとも言える頃の話で、マイクロソフトがWindows95を発売した1995年(8月に英語版リリース)した年なども影響しています。
ここ10年では、
- 2019年6月+7.62%
- 2021年6月+6.34%
- 2020年6月+6.29%
と、コロナ前の上昇相場の恩恵に加えて、コロナからの大きな反発をした成績が大きく上昇した年となっていました。
上位の上昇率を含めれば上位8位(2020年6月)の年に比べて9位からは2012年6月の3%と冴えない経過になっています。
NASDAQ100が6月に下がった年ランキング
- 2002年6月-12.99%
- 2008年6月-9.62%
- 1991年6月-8.89%
- 2010年6月-4.90%
- 1989年6月-4.64%
- 1992年6月-4.46%
- 2005年6月-3.18%
- 2015年6月-2.47%
- 2017年6月-2.45%
- 2013年6月-2.42%
逆にNASDAQ100が下落した回数は37年間で19回となっており、下落した年の平均は-3.72%となっています。
もっとも下落したのは、ドットコムバブルが弾けた年やリーマンショック後の年(リーマンショックが起きた月は9月だが6月も前触れとして下落していた)になっています。
下落率トップ3は下記のとおりになっていて、
- 2002年6月-12.99%
- 2008年6月-9.62%
- 1991年6月-8.89%
6月の上昇率と下落率を見る限り、下落のほうが大きくて少し6月は怖く感じるね。
実際に、6月だけでみるとNASDAQ100は負け越していることもあって6月はなかなか厳しいかもしないね
まとめ
6月のこれまでの過去の歴史を振り返ってきましたが、S&P500とNASDAQ100ともに6月はなかなか厳しい歴史があったことがわかりました。
とはいっても過去は過去ですし、財政状況や経済状況、構成する企業や、世界情勢を含めて様々な要因が複雑に変化している時代です。
あくまでも過去の実績やデータであることを念頭においておく必要があります。 ただ、こうした過去のアノマリーを気にする人も一定数いることからそれが相場に与える影響もゼロではありません。
重要ではない情報ではありますが、こうした過去の歴史を頭の片隅に少しでも入れておくことによって正しい投資判断ができるかもしれません。
あくまでも投資は自己責任において行い、様々な情報を吟味して慎重に行っていきましょう。
また過去のシュミレーションとしては、リーマンショックから投資をしていたらどうなっていたのかを検証していきます。
厳しい相場続いていますが、過去から学ぶことも多くあります。
不安になることもあると思いますが、冷静な投資の判断をこれからもしていきましょう。
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