今回は、インデックスファンドとアクティブファンドの違いを知っておこうというテーマでお伝えします。
難しいカタカナがやたら並んでいて、敬遠しがちな用語ですが実際には違いはとても簡単です。
投資を行う上では何度もこの用語が今後出てくる可能性が非常に高いのでぜひとも抑えておきましょう。
まずは結論として、先にインデックス投資とアクティブファンドへの投資はどちらがいいのかということに対しては、インデックス投資のほうが長期的な視点でいい結果を出していると言うことです。
一般的なインデックス投資(S&P500を対象)に対してアクティブファンドの3分の2は勝てていないという事実を先にお伝えしておきます。
では、インデックスファンドとアクティブファンドの違いについて一つずつ解説していきます。
投資に対しての注意事項…(クリックで下に詳細を表示します)
この記事は私が投資している銘柄を中心に主要指数・セクター別の動きなどをまとめていきます。主に私が投資しているのはハイテクグロース株でありFANG+銘柄とNASDAQ100になります。レバレッジ型の投資やハイテクグロース株には元本を大きく損なうリスクも有るためご注意ください。投資に対してはリスクを許容した上で投資してください。本記事・ブログにおいての個別銘柄・投資信託・ETFなどについては売買を推奨するものではありませんので予めご理解の上、お読みください。本ブログに掲載された銘柄において損失を被った場合においても責任は一切負いません。
(初回公開日時:2020年7月15日)
インデックスファンドとは
インデックスファンドというのは、簡単に言えば「指数」に連動した運用を目指しているファンドになります。
指数というのは、
- 「日経平均株価」
- 「TOPIX」
だったり、アメリカで言えば、
- 「S&P500」
- 「NASDAQ総合指数」
- 「ダウ平均株価」
などになります。
尖ったもので言えば、金価格に連動したものだったり、その業界や業種を絞った指数などに連動するようにしています。
例で言えば、「S&P500指数」に連動したファンドであれば、アメリカのS&P500に連動するためにファンドは、アメリカのS&Pの銘柄を購入していきます。
なるべく指数と乖離(かいり)しないようにしてくれます。
インデックスファンドは指数に連動を目指した「ファンド」ですので、ファンドマネージャー(ファンドを運営する人)の力量には影響しない投資先となります。
実は、インデックスファンドはアクティブファンドよりも投資成績が長期的な目線で言えば勝っているというの客観的事実です。
インデックスファンドに投資するインデックス投資についてはこっちの記事のほうで詳しく解説してるわ!
アクティブファンドとは
一方のアクティブファンドは、ある程度の投資先や業種、投資対象の国などを決められた上でその中でファンドマネージャーが制約のなかで株などを売り買いするというスタイルです。
インデックスファンドとちがい、「ファンドマネージャー」の運用レベルによって運用成績が変わってきます。
当然、敏腕ファンドマネージャーは成績がよく高いリターンを望むことが出来ます。
一方で、すべてのファンドマネージャーが素晴らしい投資結果を出せるわけでもなく、無能ファンドマネージャーの投資信託などを購入すればリターンどころか元本の目減りさえ起こってしまいます。
凄腕ファンドマネージャーになるとその分報酬が高かったり、まただれがうんようしているなんて調べることは難しいからね。いろいろと難しいよ。
アクティブファンドの成績にばらつきがある理由
決められた範囲内での運用
アクティブファンドは、様々なストレスがあります。
特に約款に決められた中で運用するということです。
例えば、成長産業に投資すれば高確率でリターンが得られるという状況があったとします。
しかしながら、そのファンドは金融や、航空などにしか投資出来ないという決まり事があればファンドマネージャーの実力が高かろうが、低かろうが運用成績は下がってしまいます。
決められた範囲内でしか運用できないとなると、毎度結果を出すことは難しいのかもしれません。
報告義務がある
アクティブファンドは、四半期ごとや半期、あるいは1年毎に必ず投資成績を報告しなければなりません。
つまり、短期でのトレードによって「結果」を求められるわけでハイリスクな投資や損切り、あるいは長期で保有すれば儲かったものを手放さなければならないといったことが起きてしまいます。
結果を常に求められ、報告義務があり、さらに制約に縛られている状況で勝てるファンドマネージャーは数少ないと言えます。
投資家は必ず勝つと思っている
当然投資家からも相当なプレッシャーがあります。
投資家の資産を減らすなど言語道断で、下落トレンドでも上昇トレンドでも投資家は常に勝つことそして、資産を増やすことを求めてきます。
ウォール街の金融トレーダーはストレスだらけで基本、パーティで薬物に手を出してるイメージだわ
そういった描写のドラマや映画は多いよね
よっぽどのストレスなんだろうね。
信託報酬の違い
日本においてアクティブファンドとインデックスファンドの運用コスト(信託報酬)も大きく違ってきます。
- アクティブファンドの信託報酬平均は、年1.19%
- インデックスファンドの信託報酬平均は、年0.48%
アクティブファンドは信託報酬以上の成績を出してなおかつ、インデックスファンドに勝たないといけないのです。
アクティブファンドは実際に売買を「人」が行っています。
(最近はAIなどもあるが)
その分、給料や人件費などが掛かってしまいますので信託報酬が高くなっても仕方ないです。
多くのアクティブファンドはインデックスファンドの結果に勝てない
実際に、多くのアクティブファンドはインデックスファンドのリターンに勝てないという紛れもない事実があります。
それは、過去20年アメリカ株でS&P500インデックスファンドに投資していれば、7%以上のリターンが平均で出ている一方で、アクティブファンドは年利7%以上を叩き出すことはなかなか難しかったようです。
8割のファンドマネージャーはS&Pインデックスファンドのリターンには勝てないと言われています。
金融庁が出した金融レポートにある1文には、10年以上存続しているアクティブ型の投資信託が281本あったうち、281本の平均リターンはわずか1.36%しかありませんでした。
そのうち、約三割が元本割れをしていたということが明らかにもなっています。
ウォーレン・バフェットもインデックス投資を推奨
もちろん、投資の神様ウォーレン・バフェットのように長期的な投資においてもインデックスファンドに勝てるファンドはあります。
バフェットの投資運用会社バークシャー・ハサウェイは莫大な富を築き上げました。
そのバークシャー・ハサウェイですら、最近では陰りを見せています。
しかし、ウォーレン・バフェットでさえ、「自分の死後は、S&P500に投資しろ」と奥様に語っているのは有名です。 *1
こんな話もあります。彼の著書『バフェットからの手紙』より。
ウォーレン・バフェットは某ファンドが選りすぐりの5本の個別ファンド(ファンド・オブ・ファンド)が、S&P500の成績に対して上回るかどうかというものです。
ウォーレン・バフェットは、S&P500が勝つ方に賭けたのです。
結果は、10年間でS&P500が125.8%(約2.3倍)上昇しまた。
一方、ファンドの方はファンドのうち成績の良いもので、87.7%しか増えませんでした。
最悪ファンドの場合たった2.8%の増加にとどまったということです。
ノーベル経済学賞を2002年に「プロスペクト理論」によって受賞したダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』で紹介されていますが、 株式の運用というのは基本的にサイコロを回してもサイコロには勝てないということです。
50年間にわたるデータを基にした調査では、3分2の確率で投資信託、ファンドは市場全体(指数)の成績にも「負けている」と紹介されています。
つまり、サイコロのほうがマシだし、5割で勝てるコインを投げて裏表で判断したほうがマシであると結論づけています。
なぜサイコロのほうがマシという事実を知らないのか
逆にいえば、この「客観的事実」が表に出ていないということを考えてましょう。
それは「この事実(アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない)」が表面化すればするほど「アクティブファンドの投資信託」の商品は売れなくなるということです。
証券会社を始め、銀行、保険などはマスコミ・メディアの巨大スポンサーです。
いまさら「ファンドマネージャーなんていりませんでした。サイコロやコインでやったほうがマシでした」なんて言えるわけもありません。
ウォール街で働く金融マンや日本の証券会社で働く証券マンそしてファンドマネージャーは「高給取り」で有名です。
数千万円の年収をもらい、「運用成績も指数に勝てない」となる彼らの食い扶持はなくなってしまいます。
かれらは、騙し騙し、ある程度の成績を残し、情弱から手数料と信託報酬をもらい続けなければならないのです。
実際にアクティブファンドを運用して、毎日チャートを眺めるファンドマネージャーでも勝てる確率が低いという事実が揺るがないことに対して、私達が仕事の片手間で株式を運用して売買して勝てる確率は以下ほどになるでしょうか。
考えただけでもゾッとします。
もちろん、何を買っても売っても勝てる相場というのも存在します。
そういったときに、勝負に出て平時ではインデックスファンドで手堅く運用していくのが最善の策なのかもしれません。
投資スタイルと、リスクの許容度をしっかり理解した上でインデックス投資と個別株投資(短期売買)の使い分けをしっかりと行いましょう。
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*1:投資の神様バフェットが「投信を買ってはいけない」と忠告する理由(大原 浩) | マネー現代 | 講談社(1/3)